不振の強打者、フォーム調整で覚醒 4本塁打の広陵・西選手
1日、春季広島県高校野球大会決勝、崇徳6―16広陵
前日の準決勝で3本塁打を放ったばかりの広陵の6番、西凌矢君(3年)に気負いはまったくなかった。「大振りにならないように意識した。絶対につないでやろうと臨んだ」
春の選抜大会でも適時打で存在感を示した西君は今大会、不振に苦しんでいた。準々決勝までの3試合はわずか1安打。このまま終わるわけにはいかないと、試したのが打撃フォームの調整だった。足を上げずにバットを振ると視線がぶれずに安定した。これが、準決勝での大活躍につながった。
自信を取り戻して臨んだこの日、見せ場はいきなりやってきた。一回裏、3連打で3点を取った後の打席。「つなぐ野球」を意識し、フルカウントから捉えた打球は適時三塁打になった。追い上げられて迎えた八回裏は先頭打者だった。「ここで塁に出て、流れを渡さないようにしよう」。振り抜いた打球は左中間のフェンスを越えていった。
決勝でも1本塁打を含む3安打4打点。4番の真鍋慧君(2年)や3番の内海優太君(3年)ら左の強打者が並ぶ打線で、右打者としてひときわ目を引く活躍をみせた。「目標はチームで日本一になること。守備でも打撃でもレベルアップしてチームに貢献したい」