駒大苫小牧3回の守備。1死無走者で相手打者が右足に打球を当てたとき、一塁側ベンチから駒大苫小牧の高野和真選手(3年)が駆け寄った。「どこですか?」と声をかけ、痛がる右足首にスプレーをかけた。高野選手の「ファインプレー」に、会場から拍手が沸いた。
今春の選抜大会は、ベンチ入りメンバーに一度は選ばれた。だが2月の合宿中に痛めた左ひざのけがが完治せず、開幕直前にはずされた。宿舎の部屋で泣いた。
その悔しさを胸に、外野守備では「打球を追う一歩目は誰にも負けない」と落下点への入り方を工夫した。この日は一塁コーチとして「緊張をほぐそう」と、選手に笑顔で声をかけた。「出場はないかな」と思っていたら、8回から右翼手に起用された。
「足が震えるほど緊張した」。8回の守備では二飛に一瞬後ろに下がるほどだった。落ち着いてきた9回の右飛は無難にこなした。
8回の打席は二飛。「甲子園は最高でした。次は結果がほしいですね」と笑った。