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5強軸に混戦 55代表戦力分析

2008年08月01日

 第90回記念大会は8月2日から17日間、阪神甲子園球場で開催される。今夏は例年より6校多い55代表が、深紅の大優勝旗を目指す。地方大会では4千を超える参加校が各地で熱戦を繰り広げた。取材に当たった4本社スポーツグループの記者が代表校の戦力をさぐった。

表組み合わせ(丸数字は大会日)

■注目校は浦添商・常葉菊川・福知山成美・木更津総合・広陵

 A 選抜大会4強のうち、3校が地方大会で涙をのんだ。例年にも増して大優勝旗の行方は混沌(こんとん)としているね。

 E 確かに、各地を回った感じでは、ずば抜けたチームは見あたらなかった。その中で優勝候補を絞っていくと、どうなるかな。

 G 春夏連覇を狙った沖縄尚学に勝った浦添商は力があると思うな。絶対的なエースの存在は、やはり大きい。

 C 総合力では、常葉菊川が高いレベルにある。昨年は春の選抜大会を制し、夏は4強入り。メンバーも多く残っている。地力が違うよ。

 F その常葉と初戦で対決する福知山成美も、かなりの実力校だ。春の近畿大会でも大阪桐蔭や智弁学園を倒し、頂点に立っている。強力打線は常葉にひけをとらない。

 B 関東では木更津総合が強いと思う。こちらは春の関東王者。横浜、東海大相模を倒しているのだから本物だよ。左右の二枚看板がしっかりしている。

 D 昨年準優勝の広陵は?

 E 二遊間が残っており、侮れないと思う。昨年の野村のような絶対的エースはいないけれど、多彩な投手陣でカバーできそう。あと一歩で逃した頂点へ、意識も高い。

 A 実力的には、この5校がややリードしているのかな。今年はすでに組み合わせが決まっている。ゾーン別に細かく見ていこうか。

〈A・Bゾーン〉聖光学院、好バランス 市岐阜商、堅い守り

 B 聖光学院はバランスがいい。本格派右腕仲田をはじめ、完投できる投手がそろう。同校初のベスト8へ、意気込んでいる。

 E 初戦でぶつかる加古川北はチームワーク抜群の県立校。プロ注目の遊撃手・藤井を筆頭に振りは鋭い。

 D 市岐阜商は全国屈指の右腕伊藤のいる岐阜城北に競り勝った。センターラインを中心に守りが堅い。香川西は打のチーム。打率5割超の1番横山が出塁してかき回す。

 A 常葉菊川と福知山成美はどんな勝負になるのかな。

 C 常葉は左腕戸狩が復調した。フォームが安定し、終盤でも球速140キロが出る。酒井、伊藤、前田は静岡大会決勝で本塁打をマーク。のびのびとフルスイングしてくる打線は相手にとって脅威だ。 F 成美の打線も負けていない。京都大会打率7割超の1番生駒、チーム一のスラッガー、2番植田が出塁すると打線が活気づく。指をケガしていたエース近藤も、甲子園では投げられそう。いずれにしても、大一番になるよ。

 G 佐賀商は笠継が復調して古賀昭との二枚看板を確立できれば、守りは元々堅い。倉敷商は北京五輪日本代表の星野監督の母校。左腕木元は制球力がいい。きびきびした好ゲームが期待できそうだ。

〈Cゾーン〉智弁和歌山、投打に柱 駒大岩見沢、小技も

 B 木更津総合は春の関東大会優勝で自信をつけた。田中、淡路の左右のエースが安定している。東千葉大会6試合で計41回を投げ54奪三振、5四死球、失点2。打線も1番斎藤、3番佐伯、4番地引ら主軸が振れている。バントもうまいし、どこからでも好機をつくって得点できる。

 E 5年ぶりの甲子園で、ふだん通りの実力を発揮できるかどうかがカギだね。初戦の相手は伝統校の鳥取西。鳥取大会はエース小畑が本調子でなかったが、左腕鈴木が力強くなった。打線も好調だ。

 A その勝者を待ちかまえるのは、選手権や選抜で優勝経験がある実力校だ。智弁和歌山は投打の柱がしっかりしている。4番坂口は和歌山大会で4試合連続本塁打。左腕の岡田は緩いカーブがいい。済美は上位に左打者を6人並べ、勝負強い打撃をみせる。右腕古川を中心とした守りが課題かな。

 C 「ヒグマ打線」の駒大岩見沢は、今年は小技を絡めた手堅い攻めもみせる。選抜は開幕試合で1点差負け。夏も開幕試合を引いて、雪辱にかける思いは強い。

 G 下関工は右横手の与永、安本の二枚看板がいて守りが堅い。盛岡大付も左の鴇田、制球のいい金沢、速球派の多田と投手層が厚い。

〈Dゾーン〉報徳学園、左腕カギ 宮崎商、本格派147キロ

 E 報徳学園は左腕・近田の出来がカギを握る。1年生の時から注目されていた好投手だが、昨年は春夏の甲子園とも初戦で敗退した。最後の夏にかける思いは強い。チーム打率は3割5厘。打線の援護があれば、上位に食い込んでくるだろう。

 D 対する新潟県央工は初出場。6試合で23盗塁の足と得意のバントを駆使して堅実に攻めたいところだね。

 G 左腕といえば、39年ぶりに出る宮崎商の赤川も最速147キロの本格派。身長184センチ、体重87キロの恵まれた体でどっしりとしている。どんな投球を見せるか楽しみだ。

 A 初戦は九州対決。城北は今春の選抜大会の経験を生かしたい。春は届かなかった得点を奪い、勢いづきたい。

 F 近畿勢の好カードもある。智弁学園・阪口は3試合、近江・小熊は2試合と両エースがともに昨夏の甲子園で投げ、舞台慣れしている。

 C 両校は春季近畿大会でも対戦。敗れた近江だが、今夏は4割6分9厘と出場校の中で最高打率を残している。

 B 鹿児島実は6試合でわずか5失点。右腕岩下を軸に、3失策と守備も堅い。

 D 日大鶴ケ丘は6試合で48得点。内ノ倉、小野の中軸で計4本塁打を放った。チームは18盗塁と機動力もある。

〈Eゾーン〉千葉経大付、右腕安定 本荘、スタミナ左腕

 E このゾーンは選抜大会の成績を指標に占えそうだ。

 G 浦添商は選抜王者の沖縄尚学と並ぶ沖縄2強と呼ばれ、実力も伯仲していた。伊波は最速148キロの右の本格派で、スライダーも切れる。打ち崩すのは容易ではない。打線は相手投手によって組み替える。各打者とも思い切りがよく、パンチ力もある。

 D 初戦で当たる飯塚は、防御率0点台の辛島が光る。制球もよく、安定感があるので、投手戦となりそうだ。

 C 選抜4強で唯一戻ってきたのが千葉経大付。投攻守にレベルが高い。右腕斎藤は安定感にいっそう磨きをかけたが、攻撃でも4番を打っているのが気がかりだ。負担がかかりすぎではないか。

 E 対する近大付は、南大阪大会決勝でPL学園に延長サヨナラ勝ち。延長を2試合制した粘り強いチームだ。

 B 常総学院は大ベテランの木内監督が復帰。選手の特性を把握した采配は健在だ。戦いながら、どう完成度を上げていくのか興味深い。関東一は春夏連続出場。松本をはじめ投手陣は豊富だ。盗塁数30の機動力も光るね。

 F 本荘は身長169センチの左腕池田がスタミナ抜群。5試合を1人で投げ抜いた。鳴門工は2年生中心のチームで勢いに乗るとおもしろい。

〈Fゾーン〉慶応、左右2枚看板 開星、右腕光る制球

 C 46年ぶりに出場する慶応が頭一つ抜けている。強豪ぞろいの北神奈川を勝ち抜き、決勝では東海大相模を延長13回で下す粘りも見せた。

 E でも、今春の選抜の初戦敗退は記憶に新しい。

 B いい教訓になったと思う。バントを積極的に使い、泥臭く1点を取るようになった。左本格派の田村と右技巧派の只野の実力は、もともと全国でもトップクラスだ。

 D 初戦は松商学園。右腕林は腕の振りがしなやかだ。昨夏の甲子園経験者も多く、好勝負になりそうだね。

 A 開星は制球のいい右腕小池を擁し、安定した戦いぶりで島根大会を制した。2年生が多いチームだが、なかなか落ち着いている。

 B 青森山田も手堅い野球をするね。足を絡め、バントもうまい。青森大会で打率7割6分5厘の4番斎藤樹は柔らかい打撃をする好打者。

 G 日本航空との初戦は好勝負だ。北野は全国レベルの好右腕。常に140キロを超える速球と鋭く曲がるスライダーを操る。バックも堅守で北野をもり立てる。

 D 高岡商と大府は県立校同士の一戦。両校ともに守り勝つ野球で、接戦になりそうだ。初出場の本庄一は俊足ぞろい。北埼玉大会で見せた粘り強さに期待したい。

〈Gゾーン〉金沢、強力4番 大阪桐蔭、猛打

 A 過去に実績のあるチームが多いゾーンだね。

 E 今年の大阪桐蔭には、中田翔(日本ハム)のような突出した強打者はいない。それでも、地方大会では3選手が2本塁打を放つなど、出場55校中トップの計7本塁打を記録。7試合で失点2、失策4と守りもすきがない。バランスのとれたチームだ。

 B 81回大会優勝の桐生第一は左腕田中から右腕清村につなぐ必勝パターンを持っているところが強みだ。打線は6試合で喫した三振がわずか9個。26犠打を決めるなど小技もうまい。

 G 清峰は軟投派の古賀、本格派の今村とタイプの異なる2投手を軸にした守りのチーム。打率は決して高くはないが、5試合で35四死球を選んでいる。日田林工は大分大会の全5試合を右速球派の末次―太田尾の継投で戦った。

 F 金沢の4番は2年生の林。1年の時から大役を任されている左打ちの強打者で、地元では「松井2世」と呼ばれている。上位から下位まで切れ目のない打線だ。

 D 東邦も、地方大会では1試合平均12安打以上を放つなど攻撃力が光る。

 C 北海は、7試合57回を1人で投げきった右腕鍵谷の出来がかぎになる。白鴎大足利は6試合で1失策の堅守からリズムをつかみたい。

〈Hゾーン〉高知、好走塁 横浜、エース成長

 A 経験豊富な強豪校がそろった。最激戦区だろう。

 C 初戦から好カードが続く。なかでも、10年前の優勝校・横浜に注目したい。選抜の初戦敗退から、左腕土屋が大きく成長した。高めの直球で空振りを奪えるようになっている。対戦相手の浦和学院は例年の大型チームと比べるとスケールは小さいが、小技を確実に決め、しぶとい。

 B 練習試合は横浜が勝ったらしいが、甲子園を知り尽くした常連校同士。見応えのある展開になるだろう。

 F 昨年準優勝の広陵もいる。俊足の1番・上本を筆頭に好打者ぞろい。投手陣は直球に力のある中田に、ピンチでも動じない前田、左腕の森宗を擁し、継投で勝ち上がってきた。

 A 対する高知も2年連続出場で実力は十分ある。守備範囲の広さ、積極的な走塁など、よく練習を積んでいる。

 C 評判の好投手もいる。菰野の右腕西は最速146キロ。低めへの制球もいい。試合巧者の仙台育英には左打者が7人並ぶ。どんな攻略法で挑むのか興味があるね。

 F 春の東北大会準優勝の酒田南は、安井、小山の2本柱が安定している。昨夏、開幕試合で佐賀北に敗れた福井商は甲子園経験者が8人残った。堅実な試合運びに定評があるので、好試合に期待だ。

【座談会出席者】

 (東京)宮田喜好、山下弘展(名古屋)長谷文(大阪)井上明、藤島真人、清水寿之(西部)吉田純哉


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