夏の甲子園を連覇した駒大苫小牧(北海道)が、15日の明治神宮野球大会(高校の部)決勝も制した。秋の国体も優勝しており、夏、国体、神宮の「3冠」は史上初。新チームとして最初の全国大会だったが、投打がかみ合い、強さを見せつけた。「出ると負け」の野球後進地だった北海道が遠い昔と思えるような快挙。「昨年の夏、今年の夏、そして新チームもすごい」と地元は盛り上がっている。
甲子園優勝後に元部長による暴力問題が発覚し、香田誉士史監督が練習に参加できない日が多かった。選手たちは複雑な思いを抱きながら、新主将の田中将大投手を中心に団結。甲子園ほどの注目が集まらない国体、神宮大会でも全力をぶつけようと、厳しい練習をこなしてきた。
駒苫が04年に夏の甲子園を初制覇するまで、北海道のチームは4年連続で南北代表とも初戦敗退。苫小牧市内で優勝を伝える号外を受け取った男性(77)は「甲子園連覇だけですごいのに、新しいチームも優勝とは、何ものにも代え難い喜びです」。
田中主将は「選抜に出場できても、チャレンジャー精神で頑張る」と前を見据えていた。