辻内とチームメートの平田(大阪桐蔭)が、野手の中ではドラフトの注目株だ。
強打は折り紙付き。東北(宮城)との全国選手権準々決勝では、清原(PL学園)と並ぶ1試合3本塁打を放った。50メートル5秒7の俊足、遠投110メートルの強肩の持ち主でもあり、すでに中日が1巡目指名を明らかにしている。イチロー(マリナーズ)のプレーに感動した小学生時代を振り返り、「僕も子どもに夢を与えられる選手になりたい」と期待に胸をふくらませる。
バランスのよさでは、台湾出身の遊撃手、陽仲寿(よう・ちょんそ=福岡第一)も負けてはいない。50メートル5秒9、高校通算39本塁打、強肩で守備範囲も広い。日本の高校野球にあこがれて02年冬に来日。甲子園出場はならなかったが、「日本人に負けたくない」と、さらなる飛躍を誓う。
鈴木(遊学館)は長打力と強肩、俊足と走攻守がそろった外野手。今夏の秋田商との全国選手権1回戦では中堅から一塁への送球で、スタンドをわかせた。俊足の柴田(愛工大名電)は守備範囲が広く、好守で選抜大会優勝を支えた。川端(市和歌山商)はミートがうまく、広角に打ち分ける技術がある。
平田、辻内(大阪桐蔭)、鶴(近大付)とともに「なにわの四天王」と異名がつくのが、左の強打者の岡田(履正社)だ。甲子園出場経験はないが、豪快な本塁打とともに、左方向へも狙い打てる器用さがある。
捕手も好素材がそろった。水野(東邦)はスローイングの速さに定評がある。投球を受けてから二塁に到達するまで1.9秒。一昨年の秋までは一塁手で、ショートバウンド捕球のうまさを買われて捕手に転向すると、実力を伸ばした。今夏は甲子園出場こそ逃したが、全日本高校選抜に選ばれ、アジアAAA選手権で優勝した。
炭谷(平安)は今夏の京都大会で4本塁打とパンチ力がある。昨夏、今春と甲子園の土を踏んだ今成(浦和学院)は、勝負強い打撃が光る。
全国選手権2連覇をした駒大苫小牧の林や、加藤政(東北)はプロ野球志望届を日本高校野球連盟に提出せず、指名対象にならない。
■注目の高校生投手■
身長 体重 投打
今成 亮太(浦和学院、捕) 178 70 右左
鈴木 将光(遊学館、外) 182 77 右右
水野 祐希(東邦、捕) 180 76 右右
柴田 亮輔(愛工大名電、内) 182 72 右左
炭谷 銀仁朗(平安、捕) 180 85 右右
平田 良介(大阪桐蔭、外) 176 78 右右
岡田 貴弘(履正社、外) 186 94 左左
川端 慎吾(市和歌山商、内) 183 74 右左
中田 亮二(明徳義塾、内) 170 121 右左
陽 仲寿(福岡第一、内) 182 78 右右
天王寺谷 亮(神村学園、外) 180 70 右左
※かっこ内の校名の後は守備位置