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甲子園、我々が解き明かす テレビ解説者 放送局に個性

2010年08月19日

 全国に放送されている高校野球の生中継で欠かせないのが解説者だ。試合のポイントを自らの経験も交えて語る。その口調や解説からにじみ出る人柄は様々。今大会も、多彩な顔ぶれが甲子園のバックネット裏から、高校野球の魅力を届けている。

写真解説する清峰の吉田洸二監督(右)=中里友紀撮影

 NHKの解説陣に今夏、新しい顔が加わった。杉浦正則さん(42)。社会人野球の日本生命でエースとして活躍し、五輪に3回出場。バルセロナで銅、アトランタで銀メダル獲得に貢献した。「ミスター・アマ野球」と呼ばれた名投手は計5試合を担当。「どうしても投手に目がいくが、まだ、言葉がうまく出てこない」と苦笑する。

 杉浦さんは甲子園に縁がなかった。橋本(和歌山)のエースだったが3年夏の地方大会で敗退。同志社大、社会人時代も甲子園での登板機会はなかった。国際経験は豊富でも「甲子園は特別。こんないいところで試合できる選手たちがうらやましい」。

 NHKの解説陣は「高校、大学、社会人で実績を残した61歳未満の指導者」を中心に構成される。かつては関大元監督で甲子園で審判も務めた達摩省一さんや、慶大・報徳学園(兵庫)などを率いた福島敦彦さんら、名物解説者がいた。

 現在の陣容は12〜13人で、松下電器(現パナソニック)元監督の鍛治舎巧さん、慶大元監督の鬼嶋一司さんらが務める。大会は約2週間の長丁場のため、日程調整のしやすさから、第一線を退いた人が多い。杉浦さんも昨冬、日本生命の監督を退任したばかりだ。

 一方、朝日放送系の解説者は現役で活躍している高校指導者が中心。朝日放送の奈良修プロデューサーは「現役の方は、やはり話が生々しい」と説明する。

 今夏は近畿、関東、四国、九州から20人が交代で放送席に座る。昨春の選抜大会を制した清峰(長崎)の吉田洸二監督は3年前に初出演し、今夏が3度目の解説。昨年は横浜(神奈川)の渡辺元智監督とともに決勝を担当した。秋季大会が迫り、新チームの練習を気にかけながらも、「他校の監督さんと話ができるまたとない機会」と吉田監督。特に楽しみなのが、試合前の取材時間で「選手の雰囲気を肌で感じるし、ゲームプランも聞ける。すべてが勉強になる」。解説に来た監督同士の交流もあり、練習試合が決まることもしばしばという。

 朝日放送系の今大会の決勝の解説は、横浜の渡辺監督と帝京(東東京)の前田三夫監督。甲子園を知り尽くした関東の名将2人が担当予定だ。(山下弘展)


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