抽選番号「49」は貧乏くじなのか。当然のことながら、出場校数が奇数だと、最初の組み合わせ抽選会で相手が決まらないチームができる。一見、2回戦からの登場で得をしているようだが、実は、なかなか初戦を突破できていない。
55校出場の80、90回記念大会を含め、出場49校が定着した60回大会以降ののべ32校で勝ったのは6校しかない。一つ勝って甲子園慣れした相手との精神的な差か、出番が遅くて調整が難しいからか。
ただ最近では、88回大会で初出場の鹿児島工が勝利して、4強まで勝ち進んでいる。鹿児島工の中迫監督は「大勢の客が入った横浜と大阪桐蔭の試合など、よく甲子園に試合を見に行かせた。対戦相手の試合を見られることもいいことだと思っていた」と振り返る。
第7日に初出場の山形中央が挑む。21世紀枠で選抜大会に出て甲子園は経験した。日大三に大敗した春の悔しさを胸に負の記録を打ち破れるか。(坂名信行)