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兄との誓い「プロで果たす」日南学園・中崎投手 宮崎大会

2010年07月26日

 9回表、日南学園の一塁側ベンチ前。中崎翔太(3年)の気合の入った投球練習の音が球場に響いた。だが、その裏、マウンドに登ることはなかった。試合終了のサイレンが鳴り響く中、黄色いグラブをベンチに置くと、あいさつの列に最後に加わった。

写真5回裏から登板し、好投した日南学園のエース中崎翔太=サンマリン

 今大会第1シードで優勝候補の本命。「ここで負けるつもりはなかった」。試合後、帽子を目深にかぶり、球場裏でうずくまった中崎から、汗と涙がしたたり落ちた。

 黄色いグラブは昨年8月10日の誕生日に寮に届けられた。送り主はプロ野球西武ライオンズ選手の兄、雄太。内側には赤い糸で「初志貫徹」と刺繍(ししゅう)されていた。兄の背中を見て育ち、兄をまねるように野球を始めた中崎は、「兄を超える選手になることが自分の『志(こころざし)』」と話す。

 高校入学時から、西武ライオンズにドラフト1位で指名された兄と常に比較された。「誰にも優しく、陰で努力する兄を尊敬している。仕方ない」と割り切っていた。

 大会中、22日の3回戦を観戦にきた兄は「絶対に甲子園にいけ」と弟に伝えていた。兄は2年前の夏、同じ日南学園のエースとして宮崎大会に出場し、決勝で敗れている。甲子園出場を兄を超える第一歩にするつもりだった。

 兄を上回る186センチの長身。球速は140キロ台の中盤を誇り、プロ野球のスカウトからも注目されている。

 中崎はこの日、5回裏からの登板。テンポの良い投球で4回を投げ、許した走者はバント安打の1人だけというかんぺきに近い投球だった。

 しかし、甲子園には届かなかった。試合後、「まだまだ終われない」と赤い目で話した。「プロに進み、兄を超える」。黄色いグラブを片手に力強く語った。(神澤和敬)


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