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新田、健闘の準V エース菊池、7回まで無安打投球

2010年08月31日

 第55回全国高校軟式野球選手権大会(日本高野連主催、朝日新聞社、毎日新聞社など後援)の決勝が30日、兵庫県明石市の明石公園野球場であり、四国代表の新田は北東北代表の能代(秋田)に1―2でサヨナラ負け。初優勝はならなかった。序盤に先行したものの追加点が挙げられず、最後にひっくり返された。

写真新田−能代 3回表新田1死一、二塁、安地は左前安打を放ち、相手失策の間に二塁走者竹田大(5)が生還。捕手金谷=明石、伊藤恵里奈撮影

■追加点挙げられず

 プレーボールの時に降っていた雨は中盤に上がった。青空に舞った打球が右中間を抜ける。同点で迎えた9回裏、2死一塁から許した三塁打。新田は惜しくも頂点に手が届かなかった。

 1、2回に安打が出ると、新田のベンチは「いける」という雰囲気になった。3回、内野安打と四球で1死一、二塁とし、3番の安地春雄選手が左前安打。左翼手が処理にもたつく間に二塁走者の竹田大起選手が先取点の本塁を踏んだ。エース菊池秀之投手は雨に調子を崩されることなく、7回まで無安打無得点の好投を見せた。

 ところが、なかなか追加点を挙げられない。ようやく8回、3四球で2死満塁の好機を引き寄せたが、後続を断たれた。その裏に同点とされ、9回には四球の走者を犠打で進め2死三塁と攻め立てたが、あと1本が出なかった。

■人間磨き、選手成長

 それでも、選手たちが成長したからこそ果たせた準優勝だ。

 13人の3年生部員が選抜大会出場経験のある硬式野球部ではなく軟式を選んだのは、「丸刈りが嫌」「硬式でレギュラーになれる力がない」「勉強と両立するため」といった理由からだ。野球に取り組む姿勢にも温度差があり、1年生の夏には浜田英希監督から「一生懸命にやる人間とそうでない人間がいる」としかられた。

 2年生の夏に起きた「事件」が意識を変えた。浜田監督が「全国大会は目指さない。仲間を思いやる心、人間の中身を磨くことが目標だ」と伝え、チームを解散したのだ。「それでもついてこられるやつは集まれ」と言って指定した数日後の集合時間、全員が戻ってきた。新たなスタート。伊藤文人選手は「みんなで野球をやる意味や大切さを再確認できた」と振り返る。

 準決勝があった28日の早朝。散歩に訪れた公園で、ごみを拾うエースの姿があった。浜田監督は「試合にのめり込んでいてもおかしくないのに、落ち着いている」と感じた。その日、優勝候補の一角の天理を破り、初めての決勝に進んだ。

 今大会の快進撃と3年間を振り返り、竹田達哉主将は「成長してここまで来ることができた。礼儀やマナーで、他チームに負けなかったと思う。そこは誇れる」と話した。

 球場で応援していた新田高校の竹林一昭校長(62)は「野球好きの生徒たちが監督中心に手作りの試合ができた。開会式で主将が―人生で一番暑い夏にする―と力強く宣誓したが、まさにその通りの戦い。たくさんの夢を見させてくれた」とコメントした。

 新田高校では当番教員らがラジオでの試合中継に聴き入った。竹田達哉主将など3人の部員を受けもつ豊田公生(こうき)教諭(29)は「決勝前の電話にも落ち着いて答え、程よい緊張を感じた。授業でも集中力がある面々。いけると思ったが、あと一歩及ばなかった。帰ったら、まずはよく頑張ったと労をねぎらいたい」と話した。


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