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(取材考記)コロナ禍が奪う、高校生の晴れ舞台 夢と引き換え、社会守る若者を思う 抜井規泰

2020年8月7日16時30分

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、この夏の「第102回全国高校野球選手権大会」(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)の中止が決定したのは5月20日。その後、「球児たちに1試合だけでも舞台を用意したい」と各地の高野連関係者が奔走し、全国すべての都道府県で独自大会が開かれることになった。

 だが、その勝利の先には、球児たちが子どもの頃から夢見てきた甲子園はない。それでも、取材で球児の誰に尋ねても、同じ言葉が返ってくる。

 昨年夏の東東京代表、関東一の渡辺貴斗主将は独自大会に臨むにあたって、「本当に大勢の方々のお陰で、舞台を与えていただきました。この感謝を忘れずに全力でプレーします」と話した。渡辺主将に限らない。どの球児も表すのは感謝の思いだ。

 夢を奪われた高校生は、甲子園が消えた硬式野球部員だけではない。高校体育の祭典である全国高校総体(インターハイ)も「甲子園中止」の1カ月前に中止に。運動部にとどまらず、吹奏楽や合唱といった文化系の部活の大会も、早々に中止が決定。ありとあらゆる舞台をコロナ禍が奪った。

 独自大会が全国で始まる少し前、シンガー・ソングライターのさだまさしさんのインタビューを担当した。さださんは今年の球児たち、そして高校生たちを、こう表現した。

 《自分たちの夢と引き換えに社会を守ろうとしている今年の高校3年生》

 東京の独自大会の観戦は、部員とその家族に限定された。会場の一つ、「大田スタジアム」では、試合前後の客席へのあいさつも禁じられた。ある監督は「ベンチ入りできなかった部員たちに、あいさつもできなかった。子どもたちは何も悪くないのに」と声を詰まらせた。

 その彼らがいま、感謝の言葉を口にしている。コロナ禍が起きたことによって逆に、「多くの人に支えられていることを知った」と。

 7月には「Go To トラベル」が始まるなど、通常の社会活動を取り戻そうとする動きもある。その陰で、夢と引き換えに社会を守ろうとしている若者たちに、思いを致したい。

 (東京社会部)

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