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(Timely)優勝カップ、友情刻んだ 安藤嘉浩

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2018年11月24日05時00分

 元高校球児が同窓会チームを組んで青春時代の夢を再び追いかける「マスターズ甲子園」が10、11日、阪神甲子園球場で開催され、今年も16チームの選手たちが聖地でのプレーを楽しんだ。

 初めて代表を送り込んだのは4道県。北海道は開会式で、道大会の優勝カップと準優勝盾を手に入場行進した。「私たちにとって友情の証し。大切なものですから」と北海道高校野球OB連合の蔵重俊男副会長(68)=苫小牧工OB=は言った。

 9月6日、北海道胆振(いぶり)東部地震が発生した。約2週間後に初めての道大会を控えていた。準備の中心になっていたのが胆振地域の元球児たち。蔵重さんの出身地である厚真町も、被害が大きかった。

 混乱の中、激励と見舞金が届いた。長野県連盟からだった。今年初めて代表を送る団体同士ということで、頻繁に情報交換していた。「大変でしょうが、ぜひ大会を成功させて下さい。甲子園で会いましょう」。長野の池口良明会長(67)=松本深志OB=は言った。

 「ありがたかった。自分たちが元気にプレーすることで地域も元気になればと思うことができた」と蔵重さん。見舞金でカップと盾を作り、プレートに「贈 長野県高校野球OB連盟」と刻んだ。

 道大会は無事に開催され、苫小牧工OBが優勝し、駒大苫小牧OBが準優勝。北海道と長野は初出場を記念し、予選参加チームから選手を集めた選抜チームで甲子園の土を踏んだ。友情のカップは、2校の選手が持って行進した。

 地震、大雨、台風……。今年も様々な天災が日本列島を襲った。7月の西日本豪雨ではプロ野球広島が、地元での3連戦を中止した。「前を向き出したときに一緒に頑張っていく」という松田元オーナーの言葉通り、リーグ3連覇を果たして復興に向かう地元を活気づけた。第100回を迎えた全国高校野球選手権大会の地方大会も、日程変更などをしながら開催された。

 振り返れば、戦後の復興期も含めて、様々な困難に立ち向かい、仲間やファンを励まし、反対に励まされ、日本人は球音をつないできた。そして、今日がある。

 野球シーズンの終わりに、白球がつなぐ友情の輪に感謝しよう。来年もその輪がさらに広がるよう、だけど、天災は少ないよう祈りたい。(編集委員)

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 Timely(タイムリー)