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(Timely)夏が残した課題 安藤嘉浩

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2018年8月25日05時00分

 第100回全国高校野球選手権記念大会が閉幕した。球児たちの熱戦により盛り上がった一方で、酷暑の夏に「343人」「881球」という数字が突きつけられた。

 「343人」は大会期間中に熱中症・日射病の疑いで阪神甲子園球場内の救護室に来た観客の人数だ。会期が長かったとはいえ、一昨年の309人、昨年の271人から増加した。日付別に見ると、12日が54人で最多だった。第3試合の星稜(石川)―済美(愛媛)が延長タイブレークになり、大会本部の判断で、投手の治療時と延長戦突入時に選手・審判がグラウンドから引き揚げて休息をとる「給水タイム」が設けられた日でもある。

 救護室の担当医によると、病院に緊急搬送するほど症状が重い人はほとんどいなかったそうだ。場内放送と電光掲示で頻繁に水分補給を呼びかけるなどした効果があったのかもしれない。ただ、過酷な条件下で大会が実施されていることは間違いない。気温が高い日が続いた前半は、試合中に足がつる球児もいた。

 他の学生スポーツと同様、夏季長期休暇を利用した大会開催を変えるのは難しいだろう。となれば、可能なのは試合開始時間の再考か。例えば(1)午前8時(2)10時半開始で2試合やった後、気温が上がる時間帯を避けて残り2試合を(3)午後3時半(4)6時開始とする。試合が順調に進行すれば8時半には試合が終わる。授業がない休暇中ということで夜間開催も許されないだろうか。

 「881球」は準優勝に輝いた金足農(秋田)の吉田輝星投手が6試合で投げた球数だ。内訳は(1)8日157(2)14日154(3)17日164(4)18日140(5)20日134(6)21日132球。投げすぎなのは明らかで、投球数や回数制限を求める声が多く聞かれる。

 ただ批判を承知で言えば、もし投球に制限があったら金足農の快進撃はなかったかもしれない。吉田投手を含めた金足農の選手、関係者が貴重な体験をする機会が奪われることになる。特定の投手に過度な負担をかけることを容認するつもりはないが、答えを出すのは簡単ではない。

 すぐに取り組めるのは大会日程の再考だろう。3回戦と準々決勝、さらには準決勝と決勝の間にも休養日を増設する。少なくとも連戦、連投はなくなる。

 第101回大会に向け、あらゆる可能性を検討したい。(編集委員)

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