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(Timely)20年に1度の夏、楽しもう 安藤嘉浩

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2018年6月23日05時00分

 4年に1度のワールドカップ(W杯)サッカーと5年ごとにある高校野球の記念大会は、20年に1度だけ重なる。

 1998年のW杯は、日本代表が初出場したフランス大会だった。初戦のアルゼンチン戦(6月14日)に続いてクロアチア戦(同20日)があった翌21日、第80回全国高校野球選手権記念大会の地方大会が沖縄から開幕している。

 いわゆる「松坂世代」の夏だった。松坂大輔(現中日)を擁する横浜が甲子園でライバルたちと熱戦を繰り広げ、春夏連覇を達成した。沖縄大会の開会式には、松坂と並んで注目された新垣渚(沖縄水産)も参加していたはずだ。

 松坂をはじめ横浜の選手たちが「寮で消灯後に、W杯のテレビ中継を隠れて見た」と話していたのを思い出す。当時は家庭用ゲームソフト「ウイニングイレブン」のW杯版や「ハイパーオリンピック イン ナガノ」をみんなで楽しんだそうだ。

 長野冬季五輪が開催されたのも98年の2月だった。

 星稜(石川)の山下智茂・元監督は「他のスポーツを観戦して体の使い方やウォーミングアップ方法などを勉強することも、野球にプラスになる」と語る。現在は若手指導者の育成を目的とする日本高校野球連盟「甲子園塾」で塾長を務めている。

 高校球児にとっては野球に集中したい時期だろうが、寝不足にならない程度なら、W杯サッカーをぜひ観戦して欲しい。野球に限らず、自らの競技一辺倒の生活を送る必要はない。意識的に視野を広げ、様々な刺激を受け、うまく気分転換もしながら、大切な試合に臨んで欲しい。

 20年ずつさかのぼると、アルゼンチンが自国開催のW杯で初優勝した78年は、「逆転のPL」(PL学園=大阪)が夏の甲子園を初制覇した。17歳のペレ(ブラジル)がW杯で躍動した58年は、板東(徳島商)―村椿(魚津=富山)の延長十八回引き分け再試合という名勝負が甲子園で生まれている。

 今年はどんなドラマが待っているのか。コロンビアに勝利した日本代表の2戦目は、24日のセネガル戦。それに先立つ23日に高校野球100回目の夏が、沖縄と南北北海道の地方大会から開幕する。

 20年に1度の忙しくて忘れられない夏になりそうだ。(編集委員)

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