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(Timely)ドラフト会議 スタートに立つ第4の男 安藤嘉浩

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2017年10月28日05時00分

 九州学院(熊本)の村上宗隆という名前を聞いて、懐かしいと感じた高校野球ファンも多かったのではないか。

 26日にあったプロ野球ドラフト会議で、ヤクルトが交渉権を獲得した大型捕手だ。7球団が1位指名入札した清宮幸太郎(早稲田実)を抽選で外した6球団のうち、ヤクルト、巨人、楽天が外れ1位で指名し、再抽選となった。

 2年前の夏、村上は熊本大会で満塁本塁打を放つ華々しいデビューを飾り、1年生4番打者として甲子園に出場した。1年生3番打者の清宮が注目を集めた夏だった。ともに左打ちの強打者、当時は守備位置も同じ一塁手ということで、ぼくら報道陣も何かと比較する質問をした。九州学院の坂井宏安監督が「清宮とはものが違うんだから、そっとしておいてやってよ」と苦笑する隣で、村上は「意識はするけど、体格も成績も向こうが上。あと2年で追い越したい」と答えてくれた。

 この大会で清宮は2本塁打を放ち、早稲田実のベスト4入りの原動力となった。一方の村上は4打数無安打で初戦敗退。「必ず帰ってきます」と誓ったが、村上が甲子園に戻ってくることはなかった。

 その間、やはり左打ちの安田尚憲(履正社)が清宮のライバルに名乗りをあげ、村上と同じ捕手の中村奨成(広陵)が今夏の甲子園で6本塁打を放って「第3の男」に躍り出た。ビッグ3はそろって高校日本代表にも選出、18歳以下の世界大会に出場した。

 村上は、というと、「素直で前向きで練習好き。何より清宮をすごいと認め、追いつきたいと努力を続けていた」と坂井監督は言う。その成長ぶりをプロの目が見逃さなかったということだろう。1位指名で重複した清宮、中村に続いて、安田と並ぶ3球団から外れ1位指名を受けた。

 「プロに入ったら負けたくない。(清宮に)早く追いつきたい」と抱負を語った村上は「1軍で活躍して、日の丸を背負えるような選手になりたい」と目を輝かせた。

 日本代表経験のない「第4の男」の意地を感じる発言だった。

 「プロに入ったことで、高校までの実績はリセットされる。まだまだ差はあるが、ここからがスタートだ」

 坂井監督が教え子に贈った言葉だ。

 切磋琢磨(せっさたくま)は続く。(編集委員)

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