控えで気がついた「仲間」の存在 世界一を報告 聖光学院・高中選手
野球の第31回U18(18歳以下)ワールドカップに出場し、初の世界一に貢献した聖光学院の高中一樹選手(3年)が12日、福島県伊達市の同校で優勝を報告した。「世界一を取ることができて財産になった」と話した。
高中選手は今夏の甲子園などでの活躍が評価され、日本代表に選出されたが、大会序盤は出場機会に恵まれなかった。そんなとき、「仲間」の存在に気がついたという。「(聖光学院では)ずっと試合に出てきたが、代表では出ることができず、控え選手の気持ちがよく分かった」と振り返る。一緒に喜び、悔しがってくれる聖光学院の仲間を思い出し、「代表では自分がベンチで盛り上げないといけないと思った」。
決勝ラウンド(R)のプエルトリコ戦に代打で出場し、適時打を放つと、その後は2試合連続で「6番・三塁手」で出場。決勝Rの台湾戦で適時打を放ち、続く決勝の台湾戦でも1点を追う四回に決めたスクイズが敵失を誘い、逆転。チームはそのまま逃げ切った。
高中選手は「いい結果を出せたのは自信になった」と話せば、斎藤智也監督も「(大会終盤の)レベルの高い試合で活躍し、光っていた」とたたえた。
大学に進学し、野球を続ける。「世界一は取ったが、今は悔しい思いの方が大きい。もっと力をつけないといけない。そしてもう一度、大学やプロで日本を背負って戦える選手になりたい」と飛躍を誓った。(滝口信之)