日本8年ぶり決勝進出 東恩納が5回参考ながら完全試合 U18W杯
野球の第31回U18(18歳以下)ワールドカップ(W杯)は8日、台北で決勝ラウンド(R)の第2戦があり、1次リーグ(L)B組2位の高校日本代表はプエルトリコに10―0で五回コールド勝ちした。
1次Lから上位3チーム間の戦績が持ち越される通算成績で日本は3勝1敗となり、オランダを破って4勝とした台湾とともに2位以内が確定、10日の決勝に進むことが決まった。日本の決勝進出は準優勝した2015年の第27回大会(兵庫・大阪)以来8年ぶり。初優勝がかかる。
先発の東恩納(ひがしおんな)蒼(あおい)(沖縄尚学)がプエルトリコを相手に5回参考ながら、一人の走者も許さない完全試合を達成した。5三振を奪い、投球数はわずか53だった。
打線は一回に武田陸玖(りく)(山形中央)の2点適時打で先行し、その後も丸田湊斗(慶応)の適時打などで加点。五回に一挙、6点を奪ってコールド勝ちを決めた。
日本は9日の決勝R第3戦でも台湾と戦う。
■強力投手陣、絶好調
日本自慢の投手陣が絶好調だ。4位以内を確定させたこの日、期待を大きく上回ったのは東恩納蒼(沖縄尚学)だった。
「『完投でいくぞ』と言われていたので球数を少なくするつもりでした」
最速144キロの直球は球威抜群。鋭いスライダーは前にほとんど飛ばされなかった。三振5、内野ゴロ6、飛球4。一人の走者も許すことなく、5回参考ながら完全試合を記録した。投球数53での快投に「とても良い状態で終われた」と涼しい顔だ。辛口の馬淵史郎監督には「良く投げてくれましたね」と言わせた。
日本にとってただの1勝ではない。メダルの色をかけた大一番となる10日はエース左腕・前田悠伍(大阪桐蔭)の先発が見込まれる。
ただ、3度目の先発だった東恩納も、前田と同じく今大会無失点と安定感ではひけをとらない。55球以内なら中1日で登板できるという投球数制限の大会規定により、右のエースもまた10日、マウンドに立てる。
ここまでの計7試合でわずか5失点、防御率0・76という強力な投手陣の起用の幅は大きく広がった。
9日に戦う地元・台湾は、150キロ超の速球を投げる投手を複数擁する優勝候補の筆頭だ。「同じ高校生ですから。何とか食いついていきたい」と馬淵監督。決勝に向け、弾みをつける一戦としたい。(台北=室田賢)