今夏は甲子園出場と初戦敗退 和歌山の強豪2校の新チームは
和歌山の県下高校野球新人戦は3日、田辺スポーツパーク野球場で準々決勝2試合があった。市和歌山は8―0で初芝橋本に勝利し、智弁和歌山は10―0で那賀を下した。今夏の全国選手権和歌山大会を制した市和歌山と、優勝候補に挙げられながらも初戦敗退した智弁和歌山。今秋からの新チームの状況や目標について両校の主将らに聞いた。(下地達也)
市和歌山はこの日、左腕・藪内嘉栄投手(1年)が先発し、3回を無失点。四回から今夏の甲子園の神村学園(鹿児島)戦で救援した木村壮孜(あきし)投手(2年)が最後まで投げ切った。
木村投手は「甲子園以降、大勢の前で緊張感をもって投げることを前提に練習したのが生きた」と話した。試合では凡打を誘う丁寧な投球が光った。ただ、木村投手は前のチームを引っ張った二枚看板の栗谷星翔さん(3年)と小野莞都さん(同)の姿を見て、2人のようなキレのある直球を投げられるようにしたいとも言った。木村投手は六回に2点本塁打を放ち、打撃でも貢献した。
木村投手のほか、麹家桜介捕手(2年)や新チームの主将となった宇治田隼士選手(同)ら甲子園を経験した選手が多い。宇治田選手は「甲子園の経験も生かし、仲間が能力を発揮できるように導きたい」と意気込んだ。
智弁和歌山は、今夏の和歌山大会は22年ぶりに初戦で敗れ、6大会連続の夏の甲子園出場を逃した。この日は、2番打者の渡辺颯人選手(1年)が二回に適時二塁打を、3番の松嶋祥斗選手(2年)が四回に適時三塁打、六回に適時二塁打を放つなど計10点を奪った。
新チームを引っ張るのは主将になった辻旭陽(あさひ)選手(同)。夏の敗退後、打撃と守備の両面の底上げのため、実戦練習に力を入れてきたという。新人戦は「圧倒して勝ち、必ず優勝すること」が目標という。そして、「選抜大会出場を決めたい」と語った。
辻選手は、前主将の青山達史さん(3年)からは「主将はチームを迷わせずに引っ張っていくものだ」と言葉をかけられたという。「負けないチーム」との理想を掲げ、仲間を引っ張っていくつもりだ。