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めまぐるしく斎藤佑樹さんは考えた 十回からのタイブレークは面白い

2023年8月18日09時30分

朝日新聞DIGITAL

 ■斎藤佑樹「未来へのメッセージ」

 第105回全国高校野球選手権記念大会は8強が出そろいました。

 新しくなった延長の攻防に注目しています。

 タイブレークの開始回が十三回から十回に前倒しされ、初めての全国選手権。開幕戦の土浦日大(茨城)―上田西(長野)で早くも適用されました。

 九回まで互いに7安打を放ち、2得点ずつと互角でした。十回、明暗が分かれました。

 先攻の土浦日大は6安打を集め、6点を奪いました。先頭打者のバントが捕邪飛になったのですが、直後に暴投と四球で満塁とし、代打・飯田将生(しょうい)選手が左前タイムリーを放ったことで、チームの気持ちが楽になったのではないでしょうか。2死後、5連打が生まれました。

 同じ無死一、二塁から攻撃を始めるとはいえ、後攻の上田西にとって6点は重い。打つしかなく、暴投で奪った1点に終わりました。

■新しい野球を感じた

 走者を置かずに始まる従来の延長イニングがなくなり、試合が一気に動く。スタンドから十回の攻防を見ていて、めまぐるしくたくさんのことを考えました。

 「自分がマウンドに立っていたら何を警戒するか」

 「攻める側は打順の巡りで選択肢も変わる。先頭打者がどう仕掛けるか」

 「先攻なら大量点を狙うより、着実に得点した方が重圧をかけられるのではないか」

 新しい野球に触れた感覚があり、率直に面白いと感じました。

 この厳しい暑さのなかで選手の負担を考えると、タイブレーク開始回の前倒しは必要なことだったと改めて思います。

 ここまでの41試合のうち延長戦は6試合。このうち5試合が十回で決着しています。

 意図的に決着を早めることに批判的な意見もあるかもしれませんが、どのチームも条件は同じです。

 それにこうしたルールの変更に対応するため、新たな練習を積んだり、考える引き出しを増やしたりということは、社会に出てからも必要な能力でしょう。

■戻ってきた甲子園の雰囲気、変化も

 この夏は、声を出しての応援の復活もあり、スタンドを含めて大好きな甲子園の雰囲気が戻ってきました。

 1回戦の花巻東(岩手)―宇部鴻城(山口)では、宇部鴻城の女子部員がユニホーム姿でノックを手伝い、花巻東のアルプス席では3年前に創部された女子硬式野球部の選手たちが応援していました。野球の輪の広がりを感じました。

 僕は今大会、ハイライト番組「熱闘甲子園」(ABCテレビ・テレビ朝日系列)のキャスターをしています。高校時代、自分が取材を受けていた場所でいま、取材をする側になっていることに不思議な感覚を覚えてます。

 球児が注目してほしいと思っていることを、ちゃんと聞き出せるのだろうか。当初は不安も感じましたが、僕にとっても新しい挑戦です。

 選手と同じように、大会を通じて成長していきたいと思います。

    ◇

 第88回全国選手権大会(2006年)の優勝投手で元プロ野球選手の斎藤佑樹さん(35)が、情報サイト「バーチャル高校野球」のフィールドディレクターとして取材活動をしています。野球界やスポーツ界の未来を考えます。斎藤さんの取材動画やコラム、撮影写真をまとめた特設ページはQRコードからご覧いただけます。

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