八戸学院光星、6番打者の本塁打で流れ引き寄せる 高校野球東北大会
第70回春季東北地区高校野球大会準決勝 八戸学院光星8―5明桜
6番打者の1発が流れを引き寄せた。
0―4で迎えた四回2死一、二塁。八戸学院光星の藤原天斗選手(3年)は左越え本塁打を放ち、沈黙していた打線を目覚めさせた。
「3番、4番が当たっていなかったので、下位打線で点を取ろうと思っていた」
心の中で気持ちはたぎっていたが、明桜の投手を見る目は冷静だった。
「相手は変化球でカウントを整えてくる」
1ボール1ストライクからの3球目、読んだ通りにストライクコースに投じられたスライダーを打ち抜いた。
守備では正捕手。どんな時も感情を表に出さずにリードするのが身上。だが、この本塁打でホームインした瞬間は笑顔がはじけた。
「体の軸をしっかり保って、強く打つことができた。何とか点を取れてよかった」
3点本塁打が呼び水になり、チームは直後の五回に逆転。六回に追いつかれたが、すぐに勝ち越して主導権を渡さなかった。
決勝の相手は、昨夏の甲子園を制した仙台育英。だが気後れなど、どこにもない。「どんな投手が来ても、チャンスで打ちたい」と自信をみなぎらせた。(渡部耕平)