日大山形がサヨナラ本塁打で聖光学院に勝利 高校野球・春季東北大会
7日、春季東北地区高校野球大会1回戦 日大山形6―5聖光学院(福島)
チームを勝利に導く一打は放物線を描いて左翼席へ入った。サヨナラ3ラン。
「よっしゃあっ! しゃあっ!」
日大山形の清野隆之輔(2年)はダイヤモンドを回りながら何度も叫んだ。
今年度から適用された新しいタイブレーク制。十回裏、チームは2点リードされていた。崖っぷちだ。
1死二、三塁で清野は打席に入った。直前に「お前なら打てる」。荒木準也監督はそう言ってくれた。
普段は1番打者として着実な出塁を第一に心がけている。だが、この場面は違った。「何とか走者をかえす大きな当たりがほしい」
脳裏には、ここまで137球を投げきったエースの菅井颯(3年)のことがあった。「先輩の粘りを無駄にしちゃいけない」。二塁上にいる菅井を見つめ、打撃に集中することにした。
初球はボール。2球目は「真ん中の直球が来る」と狙いを定めていた。その通りの球が来た。思い切り振り抜き、球をはね返した。
準々決勝は、強打で八戸工大一を打ち砕いた盛岡三が相手だ。清野は「もっと打てるように頑張りたい」。高校初というサヨナラ本塁打にも満足しない。優勝をめざして、突き進む。(小川尭洋)