宇部鴻城頂点あと一歩、広陵に敗れる 春季中国高校野球
【山口】第140回春季中国地区高校野球大会(中国地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)の決勝が6日、岩国市の絆スタジアムであり、宇部鴻城が広陵(広島)と激突。降りしきる雨の中、選抜大会4強の強豪に食い下がったが、終盤に突き放され1―9で敗れた。宇部鴻城の選手たちは夏に向けて、レベルアップを誓った。
四回表2死一塁。宇部鴻城の初めての走者が出た。打席に立った4番、岡本翔選手(3年)は直球に狙いを絞っていた。「広陵の投手はボールが低めに集まっている。甘い球が来たら一球で仕留めなければ」。雨が降り続いていたが、集中力は途切れなかった。3球目、高めに来た直球を思い切り振り抜くと、打球は右中間へ。広陵に一矢を報いる適時三塁打になった。
「4番としてチームで一番信頼されるバッターでありたい」。岡本選手のこだわりだ。冬は筋力トレーニングに力を入れ、ベンチプレスで90キロを持ち上げるほど力がついた。今大会は初戦から4番に座り、準決勝の下関国際戦で3安打4打点の固め打ち。決勝進出の立役者になった。
広陵とは昨秋の中国大会準々決勝でも対戦し、0―11でコールド負けした。点差はわずかに縮まったが、またも力の差を見せつけられた。「個人の力もチーム力も上げていかないといけない。夏に勝つために残り1カ月、必死に練習したい」(山野拓郎)