高校野球記念兵庫大会、156チームで熱戦の夏 開幕試合は7月1日
県高校野球連盟と朝日新聞社は6日、第105回全国高校野球選手権記念兵庫大会の開催要項などを発表した。開会式は6月25日午前11時から、ウインク球場(姫路市)で。選手の体調を考慮し、この日は試合は行わない。試合は7月1日から計9球場で行い、順調に進めば決勝は同月27日、ほっともっとフィールド神戸(神戸市)である。
今大会には158校、156チームが出場する。部員不足のため、夢前と吉川、氷上西と生野は連合チームを組む。抽選会は14日午後1時から、明石市民会館アワーズホールであり、4回戦までの組み合わせを決める。5回戦以降は後日の抽選となる。
タイブレークは十回から。雨などで試合が中断した場合、翌日以降に続きを行う「継続試合」を、昨年に続き今年も導入する。
開会式には前回大会優勝校の社、準優勝校の神戸国際大付、シード校14校(市尼崎、宝塚西、市西宮、報徳学園、神戸学院大付、神戸弘陵、須磨学園、滝川二、須磨翔風、明石商、東播磨、三木、小野、三田学園)、準シード校16校などの約60チームが参加する予定だ。
試合会場は昨年と同じで、ウインク、ほっともっとのほか、明石トーカロ、G7スタジアム神戸、ベイコム野球場(尼崎市)、高砂市野球場、キッピースタジアム(三田市)、豊岡こうのとりスタジアム、淡路。
開幕試合となる7月1日、明石トーカロ球場の第1試合前に始球式を行う。投手役を務めるのは、昨年のインターハイ女子重量挙げ49キロ級で優勝した明石清水高3年の羽藤美優さん。
入場料はいずれの球場も大人900円、中高生・65歳以上400円、小学生以下・障害者は無料。開会式は一律400円。(三浦宏)
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始球式の大役を任された重量挙げの羽藤美優さんは、身長145センチと小柄だが、インターハイに連続出場している実力者だ。高校1年時は45キロ級で、2年時は49キロ級で優勝し、今年の出場もすでに決定している。11月にメキシコで開かれる世界ジュニア大会には日本代表として出場する。
父のすすめで小学2年から重量挙げを始めた。中学時代は練習の場を求めてウェートリフティング部のある明石北高校に通い、高校生と一緒に練習を重ねた。
現在も同部に通い、平日は約30分間の朝練、放課後に約2時間練習。土曜日も約3時間練習に励む。自宅でほぼ毎日、インスタグラムやユーチューブで一流選手のフォームを見て研究を重ねる。
同じ重量挙げ選手で、五輪に3大会連続出場した八木かなえさん(30)を尊敬している。八木さんは神戸市出身で、2010年兵庫大会の始球式を務めた。憧れの選手と同じ役を引き受けることになり、「とても光栄」と話す。
始球式に備え練習も始めた。キャッチボールも硬球を使うのも初めて。「ボールは小さく投げやすかったけれど、ストライクゾーンに投げるのが難しかった」
日本高校新記録も狙う羽藤さんは、「2028年のロサンゼルス五輪に出場して、メダル獲得が目標」だという。同世代の球児たちは今、夏の大会での勝利を目指し、同じように準備を続けている。「これまで練習してきたことを出し切り、頑張ってほしい。その願いを込めてマウンドに立ちたい」(森直由)