県大会初スタメン、大量得点の火付け役に 4年ぶり優勝の鶴岡東主将
第70回春季東北地区高校野球山形県大会決勝
鶴岡東14―5日大山形
「ここで打ってチームの打線に火をつけよう」
二回表、1死一、二塁の場面。右打席に入った鶴岡東の主将、森神晴樹(3年)は心に決めていた。
地区大会では出場していたが、県大会では初スタメン。決勝の舞台でようやく回ってきた打席だ。
投手をじっと見据える。初球のボールを見送った後、2球目。狙っていた軌道の球が入ってきた。「これだ」。真ん中の甘い直球だ。迷いなく振りぬくと、打球は中堅方向へ。先制点となる適時二塁打となった。
今年に入って佐藤俊監督に主将を任命された。誰よりも努力する姿勢を買われた。だからこそ、「もっと」という意識になった。
周りが300回の素振りをすれば、自分は500回。さらに投手陣に頼んでチェンジアップやスライダーといった変化球を投げてもらって打撃練習をした。
だが、順風満帆にはいかない。好不調の波を監督はしっかり見定め、主将を決勝で送り出した。見事に期待に応えた森神は「初打席で主将の役割が果たせてよかった」と振り返った。
チームは大勝して、舞台を東北大会に移す。よりたくましくなった主将の目標は、もちろん優勝だ。(小川尭洋)