見据えるのは、まだ先 課題克服して県優勝 花巻東・千葉柚樹主将
第70回春季東北地区高校野球岩手県大会決勝 花巻東9―3一関学院
2点リードの五回裏、花巻東の4番・千葉柚樹主将(3年)は、先頭打者として打席に立った。
相手は打力のある一関学院。まだ気は抜けない。「追加点をとるため、どんな形でも出塁してやる」
「しゃあ!」と気合を入れて、相手投手と向き合った。4球目。三塁に鋭く転がった球は敵失を誘った。この回、打者8人で4点をあげて突き放した。
「中押し、ダメ押しが足りない。気が緩むところがある」。前日にあった準決勝戦では序盤に猛攻するも、中盤から勢いがそがれた。試合後、千葉主将をはじめ、チーム全員が課題を痛感していた。
この日は、一回裏に3番打者・佐々木麟太郎選手(同)の適時打で1点。三回裏にも佐々木麟選手の3点適時二塁打で中押しはできた。そして、五回の攻勢。冷静さを意識しつつ選手一人ひとりが集中力を切らさなかった結果が出た。
注目を浴びるスラッガーの佐々木麟選手とともに中軸を任される。見据えるのは、6月の東北大会だけでなく、その先にある夏の岩手大会だ。「プレッシャーはあるけど、自分らしさを忘れないで力をつけて夏に臨みたい」(松尾葉奈)