健大高崎、5年ぶり関東制す エース不在も継投で逃げ切り
【群馬】第75回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は28日、横浜スタジアムで決勝があった。春季県大会優勝の健大高崎が木更津総合(千葉2位)を10―7で破り、5年ぶり3度目の優勝を決めた。
健大高崎の先発は今春に入学したばかりの石垣元気(1年)。今大会はここまで、計10回を投げて無失点と抜群の安定感を誇っていた。この日も序盤から140キロ前後の直球が低めに決まり、四回までは被安打0だった。
だが突如、五回に崩れた。押し出し四球を与えて初失点すると、そこから連続適時打を浴びて一挙5失点。この回で降板した。
流れが相手に傾くかに見えたが、六回からは3人の小刻みな継投で逃げきった。八、九回を投げた加藤達哉(3年)は言う。「エースがいない中、『投手陣の実力が試されるぞ』という気持ちをみんなが持っていた」
エースだった小玉湧斗(3年)が大会前のケガでベンチを外れた。そんなピンチを救ったのが、計5人の投手陣だ。決勝まで僅差(きんさ)の試合をすべて継投で勝ち抜いてきた。登板経験が少ない投手もいたが、動じることなく要所を締めた。
この日も継投した3人が追い上げをかわし、逃げ切った。先発した石垣は「後ろに良い投手がいる。これからはピンチでも楽に投げたい」。救援した加藤は「終盤に登板して緊張したけど、準備はできていた。投手陣の実力が出せた大会だったと思う」。エース不在ながら堂々の優勝だ。(吉村駿)