県岐阜商は準優勝 鍛治舎監督「夏に向け良い課題」春季東海高校野球
第70回春季東海地区高校野球大会(東海地区高校野球連盟主催)は24日、静岡市の草薙球場で決勝があった。県岐阜商(岐阜1位)は加藤学園(静岡1位)に6―8で敗れ、11年ぶりの優勝を逃した。加藤学園は初優勝を果たした。(高木文子)
■打線つまずいた12残塁 要所でつかまった投手陣
◎…県岐阜商は15安打を放ちながら12残塁と好機でたたみかける攻撃ができなかった。四回は矢野、高橋、寺前の3連打などで3点を返し、九回には4安打で2点差まで詰め寄る粘りはみせた。継投で勝ち上がってきた投手陣だが、要所で相手打線につかまった。
■小林凜人主将「細かいミスが命取り」
「甘いぞ、野球が」「こんな事やっとったら負けるぞ、夏」
試合終了後、県岐阜商の鍛治舎巧監督はベンチ前に選手を集め、げきを飛ばした。隣で小林凜人主将(3年)はうなだれていた。
小林主将は一回にチーム初安打、三回も安打で出塁した。だがいずれも、進塁を狙ってタッチアウトなどで好機をつぶした。鍛治舎監督は「いつもは正確な走塁ができるのに……。あの後のランナーが自重して消極的な走塁を呼んでしまった」と振り返る。
三回には相手の打球が風にあおられ、味方にエラーが出るなど5点差に引き離された。「接戦の試合は細かいミスが命取り。エラーや走塁ミスをなくしたい」と小林主将は悔やんだ。
八回の攻撃前、選手たちはベンチ前で円陣を組んだ。「相手に熱量で負けない。気持ちを出していこう」。そう声を掛け合った。
チームは昨秋、県大会の準々決勝で大垣日大に3―9で大敗。春の県大会の決勝はその大垣日大と延長十一回までもつれ、1―0で勝ちきった。
そして東海大会は二つ勝って準優勝。鍛治舎監督は「選手は去年の秋から『自信』という大きな武器がなかった。いい課題を見つけて夏に生かしていける」と前向きだ。小林主将も「攻めて攻めて、甲子園で勝ち上がって、優勝をめざす」と本番を見すえる。(高木文子)