慣れない硬式球に対応してレギュラーに 軟式出身の狩野陸人が決勝打
【群馬】第75回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は24日、神奈川県内で準々決勝2試合が行われた。県勢は春季県大会優勝の健大高崎が帝京(東京1位)を2―0で破り、5年ぶりの4強入りを決めた。健大高崎は27日に決勝進出をかけ、専大松戸(千葉1位)と戦う。
0―0で迎えた九回。健大高崎は1死三塁とし、打席に2番の狩野陸人(3年)が立った。
先発の石垣元気(1年)が七回まで被安打1と好投し、八回は救援した多田結祐(3年)がピンチを切り抜けた。「1年生が頑張っていた。積極的に振って決める」。初球を振り抜き、打球は左中間へ。決勝の適時二塁打となった。
部員は3学年で100人ほど。多くの選手は中学時代にクラブチームに所属しており、高校野球で使う硬式球に慣れている。しかし、狩野は高崎市立中尾中の軟式野球部の出身だ。硬式球と軟式球では、打球のはね方が大きく異なる。慣れるのが大変だった。
特に守備。ノックでは、地をはうように迫ってくる打球が怖かった。硬式球に慣れている仲間を見ると、「試合に出られるのか不安になった」。守りが得意な先輩をまねしたり、様々なポジションでノックを受けたりした。少しずつ硬式球に慣れ、2年時にレギュラーの座をつかんだ。
だから勝負強い打撃だけではなく、一塁、三塁に加えて外野もこなせる守備力も自慢だ。この日は三塁で先発出場し、途中からは一塁も守った。狩野は「今日は得点につながる打撃ができて良かった。次は横浜スタジアムで試合ができる。絶対に優勝したい」と話した。(吉村駿)