土浦日大が惜敗 「背中で見せる」主将の適時打 春季関東高校野球
第75回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は21日、神奈川県内の2球場で2回戦4試合があり、茨城2位の土浦日大は延長10回タイブレークの末、群馬1位の健大高崎に5―6で惜しくも逆転負けした。
「主将の自分が背中で見せるんだ」
二回表1死一、三塁のチャンス。土浦日大の8番打者、塚原歩生真(ふうま)主将(3年)は、心に決めていた。
3ボール1ストライクからの5球目。甘い直球を見逃さなかった。打球は左前適時打となり、チームを勢いづける先取点となった。
県大会の打順は5~7番だった。自分でも「長打よりも単打でつなぐのが持ち味」と認識している。この試合は、「より下位に置くことで切れ目のない打線にしたい」という小菅勲監督(56)の意向で8番に。その采配がはまった。
チームとしては、攻撃面で「2死からのアプローチ」を徹底してきた。
それが体現されたのが、五回の攻撃だった。
四球で出塁した走者を犠打と内野ゴロで進めて2死三塁。7番打者の大井駿一郎選手(2年)が左翼線適時二塁打を放つ。次の打者は塚原主将だった。内角のチェンジアップをとらえて適時二塁打とし、4点リードをつくり出した。
最後は、今春の選抜大会出場校の健大高崎に屈したが、「強豪と互角に渡り合えた」と小菅監督。主将の責任感から生まれた2本の適時打が、チームの成長を証明した。(宮廻潤子)