報徳2年連続優勝 滝川二にサヨナラ勝ち 春季県高校野球
【兵庫】春季県高校野球大会は6日、ウインク球場(姫路市)で決勝と3位決定戦があった。決勝では春の選抜大会で準優勝した報徳学園が滝川二に競り勝ち、2年連続11度目の優勝を果たした。27日に大阪シティ信用金庫スタジアム(大阪市此花区)で開幕する近畿大会に出場する。
■「ここで腐ったら負け」 父からの言葉を胸に
同点で迎えた九回裏、打席に入った報徳学園の宮本青空(はる)選手(3年)は、初球の直球を振った。右翼線に落ちるサヨナラ安打。ガッツポーズをして仲間の元に駆け寄った。「興奮して走りながら叫びました」
二日前の準決勝でも、延長タイブレーク十回に打順が回ってきたが、凡退。「力んでしまったのがダメだった。今日は力を抜いて冷静に打席に立った」
分厚い選手層でチーム内の競争は激しい。選抜大会では初戦にスタメン出場したものの、その後は途中出場が続いた。チームは準優勝したが悔しさは残った。「ここで腐ったら負け」という父親からの言葉を胸に、気持ちを切らさず練習を続けた。「試合に出たときに自分がやるべきことをやれるように」。今大会も出場機会は少なかったが、準決勝からスタメンで出番がまわってきていた。
選抜大会で見せた「逆転の報徳」は、今大会でも健在。タイブレークを勝ち抜き、決勝も逆転劇を演じた。
「近畿大会で優勝したい。レギュラーも取り返したい」(宮本選手)。タフな選手たちが、粘り強いチームカラーを作り上げている。(熊谷姿慧)