常総学院、冷静エース 2年ぶり16回目V 茨城県春季高校野球
第75回春季関東地区高校野球茨城県大会(県高校野球連盟主催、朝日新聞水戸総局など後援)は5日、J:COMスタジアム土浦で決勝があり、延長10回タイブレークの末、常総学院が5―3で土浦日大を破り、2年ぶり16回目の優勝を決めた。
両校は神奈川県で開かれる関東大会に出場し、常総学院は20日に関東第一(東京2位)と、土浦日大は21日に健大高崎(群馬1位)と、それぞれ対戦する。
3点リードの延長十回裏。無死一、二塁から始まるタイブレークでも、七回から登板した常総学院のエース左腕諸星蒼空(そら)投手(3年)は、落ち着いていた。
ダブルスチールを決められたが、三振とレフトへの犠飛で二つのアウトを奪い、1失点にとどめた。
2死二塁の場面で迎えたのは、土浦日大の1番打者、香取蒼太選手(3年)だった。準々決勝で2本塁打を放った強打者だ。
諸星投手と香取選手は、小学校のときは同じ野球チームに所属し、ともに潮来第二中学校の出身。同校では、諸星投手は軟式野球部、香取選手は硬式のボーイズリーグと、チームは違ったが、頻繁に連絡を取り合う仲だ。
「直球で勝負だ」
準決勝の後、香取選手からは、LINEのメッセージが届いた。
「絶対、抑えてやる」。1ストライクからの2球目にスライダーを投じた。大きな当たりを打たれたが、センターフライになり、優勝が決まった。諸星投手は、マウンドで跳びはねながら左手を突き上げ、喜びを爆発させた。
諸星投手は、ほっとした表情で試合後の取材に語った。「真っすぐは怖くて、投げられませんでした。三振を狙っていましたが、強い当たりを打たれてしまった。本当にいいライバルです。緊張はしたけれど、楽しい決勝戦でした」(西崎啓太朗)