5点差逆転の常総学院と土浦日大が関東大会へ 茨城県春季高校野球
第75回春季関東地区高校野球茨城県大会(県高校野球連盟主催、朝日新聞水戸総局など後援)は3日、J:COMスタジアム土浦で準決勝があった。土浦日大は霞ケ浦に1―0で勝ち、常総学院は5点差をひっくり返して、常磐大を6―5で破った。両校は20日から神奈川県で始まる関東大会に出場する。
常総学院は昨夏、夏の茨城大会では創部以来初の初戦敗退を喫し、選手たちは泣き崩れた。
あれから10カ月。
当時、4番打者だった川上大宝(たから)選手(3年)は、3番打者として、この日の準決勝に臨んだ。
三回に先制を許し、五回までに5点差をつけられる苦しい展開だった。川上選手は、相手投手の低めのスライダーを見極められず、凡打が続いた。
0―5で迎えた七回裏は、2死一、二塁で打席が回ってきた。「つないで、なんとか追いつければ」。覚悟を決めた。4球目の浮いたスライダーをとらえ、右前に運ぶと、二塁走者が一気に生還。チーム初の得点となった。
同点に追いついた八回裏は、2死三塁で打席に立った。2ボール2ストライクと追い込まれてからの5球目だった。
「どんな球にも対応して、1本打ちたい」。低めのスライダーを振り抜くと、打球は中前にポトリと落ちて適時打となり、これが決勝点となった。チームは2年ぶりの関東大会出場を決めた。
「チャンスで自分が決めてやる、という思いで臨んだことがいい結果につながりました。点差があっても、全員があきらめていませんでした。一層チーム力が高まりました」
決勝は、昨秋の県大会準決勝で敗れた土浦日大とぶつかる。
「まずは決勝に勝って、関東大会にいい流れをつなげたい」(西崎啓太朗)