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大阪桐蔭「ここまで打てないとは」 能代松陽の森岡、気迫の99球

2023年3月28日17時54分

朝日新聞DIGITAL

 (28日、第95回記念選抜高校野球大会3回戦 大阪桐蔭1―0秋田・能代松陽)

 想定していなかった。打ってくると思っていた。

 0―0の七回1死三塁。能代松陽のエース森岡大智は大阪桐蔭の村本勇海(いさみ)をカウント1―2と追い込んだ。

 4球目。内角直球を投げようと腕を振り始めた瞬間、打者のバットが寝た。とっさに高めに外そうとしたが、バットに当てられた打球が一塁線に転がる。三塁走者に生還された。

 想定外だったのは相手も一緒だ。「まさか、と。サイン間違いかと思った」と村本。

 そこでスリーバントスクイズを決めるのはさすがだが、窮余の策をとらざるを得ないほど、相手を追い込んでいた。

 優勝候補筆頭との一戦。秋田の県立校の選手たちは「この試合で負けたら引退」と言葉を掛け合って臨んだという。技術も経験も大阪桐蔭が上かもしれないが、気持ちで負けては始まらない。最後の大会だと思い込むことで自分たちを奮い立たせた。

 確かにこの日の森岡の99球には、「最後の夏」をほうふつさせるような鬼気迫るものがあった。

 「初戦を見て大阪桐蔭の打者は外角が強いと思っていた」と捕手の柴田大翔(だいと)。角度のある直球で内角を臆せず攻め、鋭いスライダーで打たせていく。

 無四球で完封した2回戦の石橋(栃木)戦から一転、四つの四球を与えたのはそれだけ厳しいコースを攻めたから。「相手は同じ高校生。すごいとか、上にみないで戦うつもりだった」と森岡は言う。

 大阪桐蔭が出場14回目の選抜、12回出場の全国選手権を通じて、2安打に終わったのは、この試合が初めてだった。スリーバントスクイズのサインを出した大阪桐蔭の西谷浩一監督には「本当は打って取らないといけない。ここまで打てないとは思っていなかった」と言わせた。

 工藤明監督は大会前、話していた。「諦めない姿を見てもらい、『公立の星』とまではいかなくとも『明かり』になれれば」と。

 強い光を放って、敗れた。(佐藤祐生)

 ●工藤明監督(能) 「森岡大智を中心に守備からリズムを作って、相手より先に崩れないことは甲子園でもできたので及第点。あとは打撃の積極性」

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