作新学院、失点重ねるのは想定内 春8強入りは監督が高校生の時以来
(25日、第95回選抜高校野球大会3回戦 栃木・作新学院9―8香川・英明)
作新学院は12安打を放ち、この大会、ここまで行われた21試合で最多となる9得点で、打撃戦を制した。自身が同校の内野手として活躍した2000年の第72回大会以来となるベスト8進出を決めた小針崇宏監督は、「選手たちが最後まであきらめなかった」と感慨深そうに語った。
振りが鋭い相手打線を封じ込められず、六回を終えて3点をリードされる苦しい展開。だが「点を取っても取られる、取られても取る、という試合になると予想していた」。ある程度の失点は覚悟しており、ベンチに焦りはなかった。
試合の前半は「自分が決めてやる」と、大振りが目立ったが、後半、相手の先発投手の球を見極められるようになると、つなぐ意識が高まった。八回に連打で逆転。2点適時打を放った東海林智(新3年)は、追い詰められた状況にも「自分たちの持ち味を発揮するチャンスだと思った」。選手たちは「3点取られたら4点取ればいい」と強気な姿勢を貫いた。
作新学院は伝統的に堅守のイメージが強いが、小針監督は「どんな選手にも良いところがある」と、その年の選手たちの特長を生かしたチームづくりをしている。今年は攻撃力のあるチームが、のびのびと打ちまくっている。
2回戦はベンチ入りの選手18人中17人が、この日の3回戦は18人全員が出場した。小針監督は「スタッフを含めて全員で次の準々決勝、しっかり勝負を楽しみたい」。文字どおりの総力戦で、全国の強豪とぶつかるつもりだ。(津布楽洋一)