「英明追っかけ」2年半の専門学校生、選手の活躍1500枚撮った
(25日、第95回記念選抜高校野球大会3回戦 香川・英明8―9栃木・作新学院)
25日の選抜大会3回戦で敗れた英明(香川)には、熱烈な「追っかけ」がいる。パティシエをめざして京都の製菓学校で学ぶ徳永光(ひかり)さん(19)だ。高校時代から約2年半にわたって、公式戦や練習試合に足を運び、選手らを撮っている。
徳島県鳴門市出身。野球好きの父の影響で、高校野球は身近だった。高校に進学すると野球の写真を撮るのが趣味になった。選手の笑顔や好捕、あきらめないでプレーをする姿に引きつけられた。
高校2年の秋。練習試合の写真を撮っていると、ひときわきびきびとプレーし、ベンチから大きな声で盛り上がるチームが目に付いた。それが英明だった。一気に心を奪われた。
もっとチームを知りたいと、遠方の香川、愛媛でも「同行」するように。当初はあきれ顔だった父も送迎で協力してくれた。
高校卒業後に四国を離れたが、「英明熱」はむしろ加速。紹介動画を作り、「英明の追っかけ」とのアカウントでTikTokにアップすると、現時点で約77万回再生されるまでに。選手たちからも「光さん」と慕われるようになった。
昨秋の新チーム発足以降、撮影した写真は2万枚近くになった。笑顔や悔し涙など様々。誰よりも英明を見てきた自負がある。
19日の2回戦に続き、25日の3回戦も英明のユニホームを着て、甲子園のアルプススタンドに陣取った。ユニホームは今春に卒業した野球部員らから、昨年12月の引退試合の時に贈られた。この日はピンチでマウンドに集まる選手、懸命に走る選手の表情など約1500枚の写真を撮った。
試合は惜敗。「悔しいけど、みんなすごく頑張っていたので感動しました。夏にもう一度甲子園に連れてきて欲しい」と目を赤くして話した。(堅島敢太郎、松永和彦)