優勝を見据える東邦、エースだけに頼らず勝利 山北・岡本が継投
(25日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 愛知・東邦6―3香川・高松商) 八回、東邦の2番手岡本昇磨は安打、死球、暴投で1死二、三塁を背負った。リードは2点。マウンドを譲るわけにはいかない。直球で内角を攻めて空振り三振。守備陣も耐える。遊撃手大島善也が、次打者の三遊間深くへの打球を好捕し、一塁でアウトにした。
最速149キロを誇る注目の好右腕・宮国凌空(りく)を擁して昨秋の東海大会を制した。宮国が12試合、80回余りを投げたのに対し、ほかの投手陣は岡本の6試合15回が最多だった。今大会初戦は宮国が先発して6回を投げた後、山北一颯(かずさ)と岡本が継投していた。
「先発は山北で行こう」。数日前、宿舎でのミーティングで山田祐輔監督が告げた。2回戦を突破すれば中1日で3回戦を迎える。岡本は「宮国が疲労なしの状態で次に行けるように」と監督の意をくんだ。
打線の援護を背に山北は丹念な投球で6回1失点。後を受けた岡本は気迫を隠さず、要所を力で押して失策による2失点でしのいだ。「チーム一丸で勝てたことは大きい。山北と岡本で勝ったことは投手陣の自信にもつながる」と山田監督。
5度の優勝を誇り、「春の東邦」とも呼ばれる。歴代最多に並ぶ大会58勝目も通過点に過ぎない。(平田瑛美)