スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOS App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

故障にめげず下半身強化 「俊足」が大きな武器に 海星・山口選手

2023年3月24日09時00分

朝日新聞DIGITAL

 【長崎】社(兵庫)に挑んだ第1戦。2点リードで迎えた三回の攻撃で、山口頼愛(らいあ)選手(3年)に打順が回った。

 先頭打者の田中朔太郎選手(2年)が左前打で出塁し、二盗。「絶対に進塁させる」との思いで三塁前に絶妙なバントを転がした。

 三塁手が捕球し一塁にボールが届いた時には、すでにベースを駆け抜けてセーフ。すかさず盗塁も決め、無死二、三塁とチャンスを広げた。後続が断たれ、得点にはつながらなかったが、足を使った海星の野球を象徴するシーンだった。

 「走塁や盗塁、小技も得意です。自分の武器は機動力。相手の意表を突く攻撃でチームの勝利に貢献したい」と話す。

 1番打者の田中選手と2番の山口選手、そして5番・平尾幸志郎選手(3年)の3人はいずれも50メートル6秒1のスピードの持ち主。社戦では「俊足トリオ」が相手の守備を揺さぶり、5―1の快勝を呼び込んだ。

 そんな山口選手も、2年前の夏には不安と焦りに苦しんでいたという。

 「みんなとの差がどんどん開いていく」――。

 入部して間もない6月、練習中に右ひじを壊したのだ。硬式球に慣れない状態で外野から遠投して負担をかけたらしい。痛みを覚えて病院に行くと、靱帯(じんたい)損傷と診断された。

 甲子園を夢見て進んだ海星で、「さあこれから」という時に見舞われたアクシデント。完治するまでに半年を費やした。投げられないため大半の練習に参加できず、ひたすら仲間をサポートする日々。だが、「まだ可能性はある」と希望だけは捨てず、下半身のトレーニングに黙々と励んだ。それが今の強い脚力の礎になっている。

 運動神経に自信があり、スポーツはどれも大好き。サッカーやバスケなど野球以外の球技も得意だ。「運動神経を生かして、人の命を救う仕事に就きたい」と卒業後は専門学校に進み、消防士をめざすという。

 次戦は広陵(広島)が相手だ。明治神宮大会準優勝の強豪に「機動力」でどれだけかき回せるか。犠打や足技を磨く特訓が続く。(三沢敦)

関連記事

アクセスランキング

注目の動画

一覧へ