持ち味の長打は封印 「チームの勝利優先」専大松戸の5番打者・太田
(22日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 常葉大菊川0―3専大松戸)
長打が魅力の5番打者が、コンパクトな打撃でチームを勝利に導いた。
一回裏、制球に苦しむ常葉大菊川の先発投手から四球と連続死球で1死満塁とした場面で、太田遥斗選手(3年)に打順が回ってきた。
「顔が硬い。甲子園は特別な場所だけど、笑顔でいけ」。ベンチからのアドバイスで、落ち着いた。
いつものようにバットを一球ごとにくるくる回して構える。「こうすると調子がいい」。低めの変化球をすくい上げるように合わせた。打球は二遊間を抜けて中堅手の前へ転がった。
2017年夏の千葉大会で、専大松戸の試合の始球式に小学生バッテリーとして参加し、野球に取り組む姿に憧れた。だが、入部すると、自分のプレースタイルとのずれに戸惑った。「中学のときはもっとバンバン打っていた」。犠打や単打で1点をもぎとるスタイルを受け入れるのに時間がかかった。
それでも、先輩たちが勝利をつかむ姿を見ていると、苦手な犠打や守備練習の必要性を感じた。この日は三回にヒット性の打球に飛び込み、好捕して雰囲気を盛り上げた。
試合後、「チームの勝利を優先した」と振り返った。最短距離でバットを出し、ミートを重視して打つように切り替えた。持ち味を封印して結果を出したが、「チームで4安打では勝てない」。笑顔はなく、次を見据えた。