WBC優勝、甲子園でも歓声　スコアボードに「世界一おめでとう！」

　第95回記念選抜高校野球大会が開催されている阪神甲子園球場（兵庫県西宮市）でも、日本の優勝にわいた。

　米マイアミで行われていた「第5回ワールド・ベースボール・クラシック」（WBC）で日本が3大会ぶり3度目の優勝を決めたのは、日本時間の午前11時40分過ぎ。甲子園では、常葉大菊川（静岡）と専大松戸（千葉）による第2試合の一回裏に入ったところだった。

　スタンドでは観客らが、スマートフォンやタブレット端末を使って目の前の試合とWBCを「二刀流」で観戦。日本の勝利の直後には、観客らから指笛や大きな拍手が起こった。

　さらに、三回表の前にはバックスクリーンの大型ビジョンに「WBC日本代表　世界一おめでとう！」と表示され、球場は再び祝福の拍手に包まれた。

　東京都の公務員大岡洋祐さん（40）は、東海大菅生の応援のために甲子園へ。「目の前の投手も好投しているけど、ごめん……」と、球場でもスマホの画面に釘付けだった。「仕事を休んでよかった。野球好きにとっては最高の、幸せな一日です」と喜んだ。

　東京都葛飾区の高橋唯人さん（28）と有花さん（28）夫婦はともに野球ファン。「高校野球とWBCの日本優勝を同時に見られるなんて。なかなかそんな巡り合わせもない。これからは専大松戸の試合に集中できます」と笑った。

　日本代表の優勝に貢献した大谷翔平選手（エンゼルス）やダルビッシュ有投手（パドレス）らも、かつて選抜を経験した。少年野球のコーチをしているという神奈川県の会社員、山本謙治さん（59）は「これで野球を始める子どもたちがもっと増えてくれれば」とWBC制覇の波及効果に期待を寄せた。（岡田健、野田枝里子）