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センバツで注目の150キロ右腕 豪快な投球に隠された繊細な趣味

2023年3月22日14時12分

朝日新聞DIGITAL

 (22日、第95回選抜高校野球大会2回戦 千葉・専大松戸3―0静岡・常葉大菊川)

 最速150キロの速球を投げるための集中力は、マウンド外でも磨かれてきた。

 専大松戸(千葉)のエース・平野大地。今大会ナンバーワン右腕との評価もある。

 身長181センチ、体重84キロの体から繰り出される豪快な投球が持ち味だが、趣味を聞くと意外な答えが返ってきた。

 それは、習字だ。

 記者の取材ノートに、名前を直筆で書いてもらう機会があった。ボールペンをさらさらと動かして書かれた平野の文字は実に達筆。字と字の間隔や線の勢いは、まるで毛筆のようだった。

 平野が初めて筆を持ったのは、小学校の入学前。書道教室で教えていた母方の曽祖母に手ほどきを受けた。

 小1から始めた野球が生活の中心になり、作品展などに出品こそしなかったが、書に向き合う時間は身近なものになった。いまは学校でも、芸術の授業で書道を専攻している。

 授業以外の時間はグラウンドでも家でも野球ざんまいの生活だが、週1回は筆をとる。「集中して書ける」という貴重な時間だ。

 中国の楷書の古典を見ながら臨書(手本を見て書くこと)をしたり、細筆で曲の歌詞などを書いたりする。「きれいな字にするためにはどう筆を入れたら良いか、それぞれの字の大きさや全体のバランスなどを考えながら書いています」

 書に向き合う時間は、マウンドでの時間とも共通点があるという。

 筆で書いている瞬間と紙から離れた時と、野球でボールを投げている時といない時。この二つが「スイッチの切り替えという点で、通じるところがある」と語る。

 「集中力を鍛える一つの時間にもなっています」

 野球にも通ずる書道の世界を教えてくれた曽祖母は、現在100歳。介護施設に入っているため、試合は画面越しに応援してもらう予定だ。

 「活躍する姿を見せて元気づけたい」

 初の甲子園のマウンド。書道で磨いた集中力を最大限に高めて、22日の常葉大菊川戦に挑んだ。132球を投げて3―0で完封。チームの3回戦進出に貢献した。(宮坂奈津)

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