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慶応・清原へ チャンスで強打者は変化球にヤマを張ろう 高嶋仁の目

2023年3月21日18時58分

朝日新聞DIGITAL

 ■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

(21日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 宮城・仙台育英2―1神奈川・慶応)

 慶応の清原勝児選手は、いいスイングをしていますね。

 第1打席のレフト前ヒット。真っすぐをとらえた力強い打球でした。積極的なところも素晴らしいです。

 課題は変化球ですね。1―1でタイブレークに入った十回2死満塁で、外角のスライダーに空振り三振。

 この絶好機で打ってやろうという気持ちが強すぎた。直球をフルスイングしようと思っていたのでしょう。

 変化球を頭に入れていれば、体が開かず、球を呼び込むことができる。打球がセンターからライト方向に飛ぶはずなんです。

 三回2死二塁の第2打席もそうでした。

 カウント2ボールから3球目、外角のスライダーを空振り。最後も変化球に体勢を崩されてセカンドゴロに倒れました。

 チャンスで何を狙うか。強打者に対し、まともな直球は来ません。逆に変化球にヤマを張っていれば、ヒットが出た可能性が高い。打てる力はあるはずです。

 智弁和歌山の監督時代も状況に応じて、ベンチから変化球狙いを指示しました。

 攻守両面で、仙台育英の早めの仕掛けも当たりました。

 先発の左腕・仁田(にた)陽翔投手が不調と見るや、二回1死満塁で早々とエースの高橋煌稀(こうき)投手に継投しました。

 継投は遅れて失敗するより、早めに代えて失敗したほうがいいと思っています。その方が悔いが残らないからです。

 攻めの仕掛けも見事でした。五回、先頭の斎藤陽(ひなた)選手がヒットで出ると、すかさず二盗させました。これをきっかけに先制の1点が入りました。

 膠着(こうちゃく)状態を打破するには、動かなければ。アウトになってもいいんです。仕掛けて突破口を開こうとすることが大事だと思います。

 それにしても、息詰まる接戦で十回からタイブレーク。いい試合になりました。

 慶応も九回によく追いつきました。1死二塁から安達英輝選手がレフト前に同点タイムリーを打ちました。ただ悔やまれるのは、二塁を狙った安達選手が捕手からの送球でアウトになってしまったことです。

 左翼手からの本塁返球が明らかに高かったので、投げた瞬間に二塁へ向かってほしかった。

 仙台育英にもサヨナラ安打の直前、1死満塁からのゴロになる走塁ミスがありました。

 以前から言っていますが、選抜大会のいいところはここで出た課題を夏に生かせることです。

 すばらしい試合をした両チームですが、さらなる成長につなげてほしいですね。(前・智弁和歌山監督)

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