二松学舎大付の片井「一からやり直す」 昨夏の4番は調子上向かず
(20日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 広島・広陵5―0東京・二松学舎大付)
九回。最後の打者が打ち取られ、5打席目は回ってこなかった。次打者席にいた片井海斗(2年)はバットを置く。「情けないな。前回はやりきった。今日は何もできなかった」
175センチ、95キロ。長打力はもちろん、柔らかい打撃が持ち味だ。昨夏は度胸を買われ、東東京大会の途中から4番を任された。甲子園でも2回戦の社(兵庫)戦で本塁打を放った。
だが、今春の調子はいま一つ。ボール球に手を出したり、甘い球を見逃したり。打順は4番から3番に変わった。市原勝人監督からは「格下げじゃなくて、格上げだ。うちは一番いいバッターを1番と3番に置くんだ」と声をかけられた。自分としては「打順は気にしていない。やるべきことをやるだけ」と、臨んだ試合だった。
この日、三回に左前安打を放った。ただ五回1死二塁の好機は、内角の141キロを見逃し三振。七回2死二塁の場面も、捕邪飛に打ち取られた。「力不足だったり、自分の幼さだったり。一からやり直したい」。昨夏から一転、悔しさの残る春になった。(野田枝里子)