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広陵打線、監督の指示なくても狙い通り 「考える力」で中軸3連打

2023年3月20日17時06分

朝日新聞DIGITAL

 (20日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 広島・広陵5-0東京・二松学舎大付)

 狙いが定まれば、迷いはない。五回。広陵打線が一気にたたみかけた。

 勢いづけたのは、3番真鍋慧(けいた)。2死三塁から2球目の外角高め134キロを逆らわず、左前へ運んだ。「大振りせずに1点ずつ。思い通りのスイングができました」。高校通算51本塁打の強打者がコンパクトにはじき返した。

 続く4番小林隼翔(はやか)は内角球に腰をくるりと回転させて左翼線へ二塁打。5番只石貫太も低めの球を踏み込んで左越え二塁打だ。

 中軸の3連続適時打で、3得点。一回に内野ゴロの間に先制するも、攻めあぐねていた打線に快音が連なった。

 打った球はすべて直球だ。この回の攻撃が始まる前。三塁ベンチで選手たちの声が飛び交った。「直球で押してくるぞ」「よし、狙おう」「オッケー」

 中井哲之監督(60)の指示はない。相手の先発右腕の直球が尻上がりに走ってきたのを感じ取り、選手たちで判断していた。「いつもそんな感じっすよ」。この回、1死からやはり直球をとらえて二塁打で出塁した1番田上(たのうえ)夏衣(かい)は誇らしげにそう言った。

 広陵の平日の全体練習は約2時間。夕食を挟んだ、1時間半の自主練習でチームや個々の課題と向き合う。自分たちで問題点を見つけることで、考える力を養うためだ。「互いに指摘しあって、視野も広くなりました」と田上。大舞台での気づきにつながり、チームで徹底した。

 直球対策で強打に磨きをかけた。冬場の打撃練習は通常より4メートル前の約14メートルの距離から投手に全力で投げてもらい、打ち返してきた。「体感は150キロ」だ。五回の場面。次々に直球を仕留め、相手捕手の押切康太郎に「変化球は見極められ、直球は打たれる。投げる球がなかった」と言わしめた。

 一昨年秋、昨年秋と2年連続で明治神宮大会決勝で大阪桐蔭に敗れた。今大会はその雪辱を誓う。真鍋は言う。「先を見ず、一つ一つ勝っていく」。20年ぶりの頂点へ。欲は出さず、着実に。狙いは明確だ。(山口裕起)

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