東邦のエース宮国凌空が粘投 満塁のピンチ、意地の直球で三振奪う
(19日、第95回記念選抜高校野球大会1回戦 東邦6―3鳥取城北)
「球数はかかっちゃったんですけど、三振は要所でとることができたんで、悪くはなかったかな」
六回までに117球を投げ、粘投で勝利につなげた東邦のエース宮国凌空(りく)投手(3年)は振り返った。
最速149キロの直球は調子が上がらず、影を潜めたが、変化球主体で打たせて取る投球を見せた。
山場は4点リードで迎えた六回裏。五回までは被安打2、無失点。この回もリズムよく2死を取ったが、急に崩れた。四球と連打で2死満塁のピンチ。2者連続の押し出しと失策で1点差に詰め寄られ、なお2死満塁。フルカウントとなった。
「六回から指先がつって指先の感覚がなくて。足もつりだした」。正念場だった。「自分のせいで失点してしまっているんで、四球を出すよりはヒットを打たれた方がいいと思い、とりあえず向かっていった」
フルカウントから135キロの直球で三振を奪い、意地を見せた。山田祐輔監督は「チームを勝たせる投球をしてくれた」。
宮国投手は与えた6四球について「今後の反省。打たしてとった方が流れよく攻撃できるなと感じた」と話した。
沖縄県出身。4人きょうだいで姉1人、妹が2人がいる。父の修(おさむ)さんによると、中学2年の妹が兄にあこがれ、中学でバレーボールからソフトボールへ。沖縄代表チームの主力に成長し、千葉県で3月26日に開幕する全国大会に出場する。一足早く全国で1勝を挙げた兄は「まずは自分のことが先にあるが、きょう勝てたんで、次は妹の番。応援したい」。(土井良典)