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悔やまれる初球の直球 沖縄尚学の4番が逃すはずはない 高嶋仁の目

2023年3月18日21時37分

朝日新聞DIGITAL

 ■智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

(18日、第95回記念選抜高校野球大会1回戦 沖縄尚学4-3岐阜・大垣日大)

 沖縄尚学の東恩納(ひがしおんな)蒼君、大垣日大の山田渓太君、両エース右腕の素晴らしい投げ合いでした。どちらも直球に力があり、変化球の精度も高かった。なにより、制球力がよかった。

 それだけに、勝敗を分けた1球の失投が悔やまれます。

 0―0の三回、2死満塁でした。沖縄尚学の打者は4番の仲田侑仁(ゆうと)君。大垣日大・山田君の直球が、魅入られたように真ん中に入っていきました。

 強打者の仲田君が、この球を逃すはずはありません。左中間席中段あたりまで運ぶ先制の満塁本塁打となりました。

 この場面は変化球から入るのが定石でしょう。直球を選択するなら、ボールにしなければあきません。大垣日大バッテリーとしたら、内角の厳しいコースを突きたかったのかもしれません。いずれにしても、あまりにも危険な配球やったと言わざるを得ません。

 その後の2打席は、ちゃんと変化球から入って、仲田君の打ち気をそらしました。絶対に打たれてはいけない一番大事な場面で直球から入ってしまったのは、残念でした。

 もちろん、打った仲田君が立派でした。小さく入って、しっかり振り抜く。ええ打ち方をしていました。

 仲田君は二回の第1打席でも、初球の直球を右前に打ち返しています。会心の当たりではありませんでしたが、正しい意識付けに基づく安打やと感じました。

 山田君のように変化球が切れる投手に対し、引っ張りにいくような打撃は禁物です。直球だったら詰まってもいいぐらいの意識で引きつけ、バットをぶつけていくことです。

 三回の沖縄尚学は、そういう意識を共有できていました。糸数幸輝君、知花慎之助君がスライダーを安打にして好機をつくりました。変化球に体が泳がされることなく、待てていると感じました。

 反対に大垣日大は、安打こそ出ていましたが、沖縄尚学のような意識の徹底ができていなかったのではないでしょうか。この試合で感じたことを、夏に生かして欲しいです。

 開会式では4年ぶりに全出場校の選手が一堂に会し、入場行進する姿が見られました。アルプス席で声を出しての応援も復活しました。

 待ちに待った春です。選手たちの好プレー、好ゲームを楽しみにしております。(前・智弁和歌山監督)

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