栃木県勢2校が入場行進 9年ぶり 選抜高校野球開会式
第95回記念選抜高校野球大会(朝日新聞社後援)が18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。栃木県からは、6年ぶり11回目の作新学院と21世紀枠で初の甲子園の石橋が出場。県勢の2校出場は、2014年の白鷗大足利と佐野日大以来、9年ぶり4度目。選手たちは4年ぶりとなった全員での入場行進で、甲子園の土を踏みしめた。
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入場行進は前回優勝で大会連覇を狙う大阪桐蔭が先頭。その後、35校が北から順番にグラウンドに姿を見せた。
作新学院は関東勢のトップを切って登場した。マネジャーの鈴木駿太郎さん(新3年)がプラカードを掲げて選手を先導した。
鈴木さんは「お客さんから拍手をもらって、ようやく甲子園の舞台に立てたと思った」と話していた。
草野晃伸主将(新3年)は「ずっと憧れていた場所だったので緊張感が自分の中を走った。甲子園の土や雰囲気をかみしめた」。19日の初戦に向け「自分たちが今までやってきた野球を貫いて挑戦者として戦っていきたい」と意気込んだ。
21世紀枠で初の甲子園出場を果たした石橋は、作新学院に続いて入場行進。横松誠也主将(新3年)を先頭に、選手たちは引き締まった表情で腕を振り上げた。(津布楽洋一、野口駿)
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作新学院は大会第2日の19日、大分商と2回戦で対戦する。初戦を前に、作新学院の小針崇宏監督と大分商の那賀誠監督に試合の意気込みなどを聞いた。
――対戦相手の印象は
小針 投手が良いと聞いている。1番の児玉選手、10番の飯田選手は完成度、レベルが高い。それにプラスして守備がしっかり鍛えられている。
那賀 関東の強豪校、常連校。甲子園慣れしているチームだろう。積極果敢に攻めの野球をする印象だ。
――警戒する選手は
小針 打線上位の3人がチャンスメーカーで軸になってくると思う。この3人をいかに出塁させないか。
那賀 トップの高森選手。初回の打席で長打は嫌だ。投手には、左腕も、新2年生の大型右腕もいる。
――自分のチームのキーマンは
小針 1、2、3番。高森を中心にした上位打線の出塁が、試合の勝敗に直結することもある。
那賀 児玉と飯田。2人がどのくらい投げられるか。点は取られると思うが、ビッグイニングをつくらせないように。度胸満点の投球を期待したい。
――チーム状態は
小針 こっちにきて打撃練習を多めにやっている。少しずつ、バットが振れてきたという感じはする。
那賀 打線は秋は非力だったが、今は(打てる)可能性を持ってきたと思う。積極的に振らせたい。
――理想の試合展開は
小針 むこうはロースコアの試合運びをしたいだろうが、うちとしては攻撃で上回っていきたい。前半で1点でも多く取りたい。1人で投げきれる投手はいないので全員で勝ちにいく。
那賀 児玉が予定通り最少失点で抑えてくれれば、いい流れ。飯田も完投能力がある。余裕を持って2人をマウンドに上げられる形が理想の展開。ロースコアの接戦が一番ありがたい。
――意気込みを
小針 久々の春の選抜。甲子園の雰囲気を感じながら、お互いに良い試合をしたい。
那賀 大分を出る時に「必ず勝って帰ります」といった。相手が強いからといって逃げて帰るわけにはいかない。最後まであきらめなければ、勝機はどこかに見つかる。(津布楽洋一)