「逃さない」振り抜いたスライダー 東北、夏につながる「考える力」
(18日、第95回記念選抜高校野球大会1回戦 山梨学院3-1東北)
夏につながる一振りだった。2点を追う七回だ。2死一、二塁の好機。東北の伊達一也は指2本分短くバットを持って打席に立った。
「直球が思ったよりもきていた。このチャンスは逃せない」。カウント1―1からの3球目。真ん中高めのスライダーを振り抜いた。三塁線を襲った打球が三塁手のグラブをはじく。1点差に詰め寄る適時二塁打となった。
昨年8月に就任した佐藤洋監督は「選手たちが考え、決めること」を重視する。前の2打席はいずれも直球で三振した伊達は「考える力がついた。楽しい野球が出来ている」。冬場に打撃向上に取り組んだ成果も出たという。
伊達は「もっと自分たちの野球を広めたい。夏に(甲子園に)戻ってきたい」と前を向いた。