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心と体をコントロール 龍谷大平安野球部の一風変わったトレーニング

2023年3月21日10時30分

朝日新聞DIGITAL

 第95回記念選抜高校野球大会が18日に開幕した。日程が順調に進めば、龍谷大平安(京都市下京区)は21日、第2試合で長崎日大との初戦に臨む。甲子園の大舞台に向け、選手たちは一風変わったトレーニングにも励んできた。

 「今の呼吸の状態がどうなのか観察しましょう」

 「その呼吸で、今の自分の心と体がどうなっているのか観察しましょう」

 2月28日の夕方、龍谷大平安高校の寮の一室。ヨガ講師の上坂由莉(うえさかゆり)さん(34)の合図に従って、野球部の投手陣が黙々と全身をひねっていた。

 上坂さんは原田英彦監督に誘われ、2年前から冬の3カ月間、ヨガを教えている。主に投手が対象。週1回のペースで訪れている。

 以前から原田監督はメンタルトレーニングが手薄だと感じていた。模索していたところ、ヨガを教えている卒業生の上坂さんに出会った。レッスンでは、選手たちが自分自身で心と体をコントロールできるよう目指す。

 上坂さんによると、ヨガの本来の目的は「心と体をつなぐこと」。人はピンチのとき、呼吸が浅くなることでミスをする恐れがある。体が柔らかくなると、呼吸が深くなり自然と心の緊張もほぐれるという。

 上坂さんのレッスンのこだわりは、呼吸法だ。「息は自分の心を映す鏡」と力説し、1度のレッスンで10回は呼吸を意識する時間を設けている。

 選手たちはシチュエーションを5種類に分け、場面ごとの適切な呼吸の仕方を学ぶ。①試合前日になかなか寝付けないとき②試合当日の朝、起床時に気持ちを高めたいとき③マウンド上でピンチになり、短時間で緊張を抑える必要があるとき④集中力を高めたいとき⑤試合後にクールダウンするとき。

 例えば①は「完全呼吸法」を用いる。息を吸うときの2倍の時間をかけて吐く。②は、速いテンポで腹をへこませて「ふんっ」と鼻から荒く息を噴射させる。「火の呼吸」と呼ばれ、交感神経が刺激され体が温まるという。

 効果は選手たちも感じている。エースの桑江駿成(しゅんせい)さん(3年)は、かつて試合前はなかなか寝付けない日もあったが、今は「気持ちを落ち着かせる呼吸法が身についた」と自信を深めている。

 2月28日は今シーズンのレッスン最終日。動かした体を休ませるために消灯して目を閉じる「シャバーサナ」の時間に、上坂さんは一人ひとりの枕元に応援のメッセージを置いた。

 「ヨガでつちかった柔軟さや呼吸法を野球にいかしてください。活躍を楽しみにしています」(富永鈴香)

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