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センバツ チームの要「助監督」 ときに厳しく、選手らを鼓舞

2023年3月17日10時45分

朝日新聞DIGITAL

 「本当に勝ちたかったらここから切り替えろよ」。6年ぶりの選抜高校野球大会に臨む作新学院のベンチで、ひときわ大きな声で選手たちを鼓舞するメンバーがいる。記録員の鈴木駿太郎マネジャー(新3年)だ。

 鈴木さんの役目は裏方の仕事にとどまらない。小針崇宏監督の近くにいて、ぼそっとつぶやいたことも聞き漏らさず、選手が理解しやすい言葉に置き換えて伝える。岩嶋敬一部長も「実質、助監督です」と信頼を置く。

 甲子園で活躍することを目標にして作新学院に入学。1年生大会ではベンチ入りを果たしたが、出場機会はなかった。「チームに貢献できていない。どんなかたちでも役に立ちたい」。悩んだ末、マネジャーになることを監督に申し出た。

 ベンチ前の円陣で選手たちに気合を入れるのも重要な役割だ。昨年の秋季県大会決勝。守りのミスで失点したチームに「こんな試合は決勝戦じゃない。ここで気を引き締めないと夏の準決勝みたいになるぞ」。

 昨夏の準決勝は、選手権栃木大会の11連覇を阻まれたつらい記憶だ。「そのときも、選手たちがふわふわ浮いているような雰囲気を感じていた」。チームは苦戦しながらも九回表に逆転。これで勝ったと思ってしまったという。「『まだだ、試合は終わっていない』と言えばよかった」と悔いが残った。

 選手たちに厳しいことを言って煙たがられる心配はないのかとたずねると「チームのためだったら嫌われてもいい」ときっぱり。「草野(主将)や磯(副主将)には試合の中でチームを引っ張ってもらい、プレーに集中できるように他のことは自分がやろうと思っている」

 どんな選手も好不調があり、自身の調子が上がらないときにチームに厳しいことは言いにくい。「プレーしない自分にはそれがない。試合に出ていないから言えることがある」と信じている。

 将来は野球の指導者になることを考えている。「今は本当にいい経験をさせてもらっている」。今春、中学校で吹奏楽をやっている妹が作新学院に入学するという。夏には兄がベンチで「助監督」として、妹はスタンドから吹奏楽部の一員として、兄妹2人で選手を後押しするつもりだ。(津布楽洋一)

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