甲子園に戻る大歓声、注がれるのは? 第95回選抜、注目選手を紹介
第95回記念選抜高校野球大会が18日、開幕する。
マスクを着用した上での声出し応援が認められる今大会。ひときわ大きな歓声を浴びるのは誰だろう。注目の選手を紹介する。
「春は投手力」とも言われる選抜大会。楽しみな投手が集った。
完成度で頭一つ抜けているのが大阪桐蔭の前田悠伍だ。最速148キロの左腕は変化球の精度も高く、昨秋は88回を投げ、102三振を奪った。
昨年の選抜、全国選手権を通じて計22回余りを投げて自責点は3と甲子園のマウンド経験も豊富だ。主将にも就いた世代ナンバーワン投手がどんな姿を見せてくれるか。
右腕では専大松戸(千葉)の平野大地の評価が高い。最速151キロと球威では前田を上回る。中学時代は控え捕手だったが高校で投手に転向し、急成長した。球威を持ち味に高い奪三振能力を誇る。
東邦(愛知)の宮国凌空(りく)も好右腕だ。左手のグラブを高く掲げた球の出どころの見えづらいフォームから最速149キロの直球を投げる。
東海大菅生(東京)の右腕日當(ひなた)直喜は190センチの長身から投げ下ろす直球とフォークが魅力の本格派。
東北(宮城)の右腕ハッブス大起も身長188センチで最速145キロとスケールが大きい。昨秋30回余りを投げて無失点の左腕、秋本羚冴(りょうご)との二枚看板は強力だ。
素質だけでなく経験値も高いのは、昨夏の王者仙台育英の投手陣だ。
背番号1の右腕高橋煌稀は決勝で救援するなど昨夏の全国選手権で4試合に登板した。冬に3キロ増量し、下半身の安定感が増した。やはり日本一に貢献した左腕仁田陽翔は直球に切れがあり三振を奪える。
沖縄尚学の東恩納蒼(あおい)は完投能力が高い最速145キロ右腕。クラーク国際(北海道)の新岡(にいおか)歩輝は、投球術が光る右の技巧派。秋は防御率0点台だった。
21世紀枠からの旋風を狙う氷見(ひみ)(富山)の右腕、青野拓海は最速143キロの本格派だ。
野手では広陵(広島)の真鍋慧(けいた)が大会ナンバーワンの強打者だろう。
長い腕を柔らかく使って打球に角度をつける技術にたけており、圧倒的な飛距離を誇る。1年夏から主軸を担い、ここまで通算51本塁打を記録している。
報徳学園(兵庫)の主将、堀柊那(しゅうな)は強肩強打で注目される捕手。二塁送球は1・8秒台を記録し、3番に座る打撃でも昨秋は打率4割超だった。
堀の後の4番を打つ石野蓮授(れんじゅ)は昨秋、近畿大会での3試合連続を含む計5本塁打を放ち、18打点を挙げた。
智弁和歌山の4番中塚遥翔も近畿大会での3戦連続を含む計4本塁打、打率5割超をマークした。
山梨学院の高橋海翔(ひろと)は、打率5割、4本塁打、16打点をマークした大型一塁手。
常葉大菊川(静岡)の捕手、鈴木叶(きょう)は、昨秋14打点と勝負強い。
二松学舎大付(東京)の2年生、片井海斗は1年生4番として注目を浴びた昨夏の甲子園で本塁打を放つなど、長打力に加え物おじしない性格も魅力だ。
沖縄尚学の知花(ちばな)慎之助は、7割近い打率を残した1番打者でミート技術が高い。
作新学院(栃木)の高森風我は競輪選手を父に持つ俊足自慢のリードオフマンだ。
慶応(神奈川)の清原勝児は、大阪・PL学園で活躍した和博さんを父に持ち、注目を集める。東邦(愛知)の主将石川瑛貴(てるき)は、兄昂弥(たかや)(現中日ドラゴンズ)が第91回大会で東邦が優勝したときの主力だった。兄弟そろっての大会制覇を狙う。(安藤仙一朗)