作新は大分商、石橋は能代松陽 初戦の対戦相手決まる
【栃木】18日に開幕する第95回記念選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)の組み合わせ抽選会が10日、大阪市の毎日新聞大阪本社オーバルホールであり、出場36校の初戦の相手が決まった。県勢は、6年ぶり11回目出場の作新学院が、大会第2日の第2試合で大分商と、21世紀枠で初出場の石橋が、第4日の第1試合で能代松陽(秋田)と、それぞれ2回戦で顔を合わせることになった。
抽選は出場校が多い関東・東京地区から始まった。作新学院の草野晃伸主将が全36校のトップ、石橋の横松誠也主将が6番目で、それぞれ本抽選の札を引いた。
作新学院と大分商が甲子園で対戦するのは、1979年選抜大会の1回戦以来。このときは作新が同点で迎えた8回に4点を失い、1―5で敗退し、今回が44年ぶりの雪辱戦となる。
小針崇宏監督は「大分県といえば大分商。甲子園に数多く出場し、歴史と伝統があり、守りも攻撃もバランスのよいチーム」と相手校の印象を述べた。
ポイントは、上位打線が序盤から力を発揮できるかだという。「開幕2日目の日曜日。久々の甲子園の歓声を全身で感じながら、関東、栃木県代表としてスピードのある思い切った野球をしたい」と意気込んだ。
石橋は、能代松陽と選抜初出場校同士の対戦となった。春夏を通じて甲子園初出場の石橋に対し、能代松陽は夏に4回(能代商時代を含む)出ているが、ともに県立校だ。
福田博之監督は「(秋季東北大会で優勝した)仙台育英と本当に五分の試合をしているということで、かなり強いチームという印象を持っている」と警戒する。「投手がかなり良いようなので、点はそう取れないと思う。うちも守りのチーム。投手を含めた守りをしっかりして、相手より1点多く取って勝ちたい」と抱負を語った。
チームは練習試合が解禁され、修正点が見つかっている状況という。福田監督自身も悲願だった初の甲子園。「私もドキドキなので、生徒と一緒に思い切って楽しみたい」と開幕を心待ちにしている。(津布楽洋一)
■能代松陽
昨夏も甲子園に出場した。初戦敗退のリベンジを誓う。選抜大会は初出場。統合前の能代商時代に夏の選手権に3回出場した。
昨夏の甲子園経験がある選手が多く残り、昨秋の秋田県大会で優勝。東北大会は準決勝で仙台育英(宮城)に1―2で惜敗した。公式戦8試合でチーム打率は3割ちょうど。本塁打はゼロだが、下位打線からも好機を作る粘り強さがある。
184センチの右腕・森岡は直球が持ち味で、スライダーなど変化球も多彩だ。昨秋は1番打者の主将・大高がチーム最多打点。共に守備範囲が広い遊撃手・保坂との二遊間は堅い。昨夏から4番を打つ斎藤は、投手としても仙台育英戦で最後まで投げきった。(北上田剛)
■大分商
地元で「だいしょう」の愛称で親しまれ、選抜大会は中止になった2020年を含め7回目。夏は県内最多15回の出場を誇る。
昨秋の九州大会では、昨春の九州王者神村学園(鹿児島)ら私立勢を下し公立校唯一の4強入り。だが、九州の頂点を目指していた選手たちは「悔しい気持ち」(大道主将)を胸に冬場を迎えた。通常より長く重い「長尺バット」を振り込み、マシンの球速を上げ、筋トレにも時間を割いて体をつくってきた。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表源田壮亮内野手(西武)や東京五輪金メダルの森下暢仁投手(広島)ら卒業生の活躍がチームの刺激となり、春の飛躍を誓う。(奥正光)
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作新学院・草野晃伸主将 相手はバントや堅実な守備が特徴。自分たちは初球からスイングするなど、持ち味の積極的な部分を出せたらいいなと思う。甲子園の雰囲気をしっかりかみしめながらプレーをしたい。
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石橋・横松誠也主将 相手は秋田で優勝している力のあるチーム。守備から流れを作り、少ない好機をものにし、粘り強く勝ちたい。初出場でわからないことが多いが、一球一球を通じて成長したい。